今夏のJリーグ移籍市場の深層をベテラン代理人が明かす(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

ポゼッションの誘惑と「勝てない」という現実 JW(ジャパンズ・ウェイ)学派の是非を考える

 日本代表の取材で、大阪に来ている。周知のとおり、札幌でのチリ戦は大地震の影響で中止となったが、先週末のルヴァンカップとJ2以下のカテゴリーは平常通りに行われた。個人的に注目していたのは、J2のアルビレックス新潟対FC岐阜、そしてJFLのヴァンラーレ八戸対FC今治である。前者は、互いに勝利の味を忘れかけている19位対18位の対戦。そして後者は、互いにJ3ライセンスを持つ3位と6位(総合順位)での顔合わせである。岐阜については先週、現地で取材をしたばかりということもあり、DAZNにてリアルタイムで視聴した。

 岐阜の注目ポイントは、大木武監督がどこまで現実路線(すなわち着実に勝ち点を積み重ねるサッカー)に舵を切るか、であった。結局、いつもの4-3-3で試合に臨んだ岐阜は、前半だけで河田篤秀にハットトリックを献上。後半は長沼洋一を入れて3バックで巻き返しを図る。実は大木監督は、第26節の大分トリニータ戦(0-2)でも、後半から3バックを試みている。しかしサポーターに言わせると「大木さんになって初めて見た」のだそうだ。結局、付け刃的なシステム変更は良い結果を生むことなく、岐阜は0-5で敗戦。クラブの連敗記録を9に更新し、5失点も今季ワーストとなった。

 一方の八戸対今治については、(映像は見ていないが)今治は0-1で敗れている。前節、ホームでHonda FCに1-4で完敗した時は、如何ともし難い実力差を痛感したが、昇格のライバルである八戸との直接対決を落としたのは痛い。今治は6月27日に吉武博文監督が解任され、工藤直人コーチが新監督に昇格。それまでのポゼッションサッカー一辺倒のスタイルから、対人でもしっかり対応する要素を取り入れながらの立て直しを図ってきた。とはいえ、工藤監督も初めてチームを率いる立場ゆえに、試行錯誤が続いているように感じられる。まだ8試合を残しているが、昇格の道は険しいものとなったと言わざるを得ない。

(残り 1954文字/全文: 2768文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック