宇都宮徹壱ウェブマガジン

たとえ「エアニスタ」がきっかけでも Jリーグに突如降ってきた恩恵について考える

「おおっと、またしてもエアニスタか!」
 9月23日に埼玉スタジアムで行われたJ1リーグ第27節、浦和レッズ対ヴィッセル神戸。メディアの手続きを済ませてメンバー表を確認したとき、思わず心の中でそう唸ってしまった。エアニスタとは、私が勝手に作った造語で「エア・イニエスタ」の略。つまり、アンドレス・イニエスタの出場を期待して試合会場に来たものの、当のイニエスタが出場しない状況を意味する。私の場合、8月5日のFC東京戦に続いて、これが二度目のエアニスタ。同じような経験をされた方は、他にも多くいたと思われる。

 とはいえ当然ながら、私はイニエスタその人を責めるつもりはまったくない。FC東京戦(そして、その前のセレッソ大阪戦)の欠場は、スペインへの一時帰国によるもの。そして今回の浦和戦は、左太ももの怪我が原因であった。いずれも欠場理由は明確であり、観客としては潔く諦めるよりほかはない。とはいえ「イニエスタが出場する/しない」は、もはやJリーグ全体が注視するテーマになっているのも事実。そしてそれは、単に「にわかファンが増えた」でお茶を濁す話ではないとも考えている。

 まずはイニエスタ加入後の神戸が、アウエーの集客にどれだけ貢献しているかについて、具体的な数字を挙げながら見ていくことにしたい。カッコ内は、神戸戦の時の入場者数/9月25日時点での今季の平均入場者数。はイニエスタが欠場した試合である。

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