宇都宮徹壱ウェブマガジン

全社枠をめぐる三者三様の戦い WMフォトギャラリー<全社3〜4日目>

<全社1~2日目>はこちら

 大会3日目は、北海浜多目的球技場で取材。いわゆる「月曜日の全社」ということで、サポーターの数もぐっと少なくなり、社会人サッカー特有のストイックな空気が横溢している。32チームでスタートした今大会も、この時点で8チームに絞られた。レギュレーションの変更により、この日で全社枠が決まる可能性は高い。

 第1試合はFC刈谷対サウルコス福井。福井については、この大会の常連であり、「早く卒業してほしい」と個人的に願って止まない存在でもある。今季は開幕前、クラブの存続が危ぶまれるほどの経営危機に見舞われたが、かろうじて持ち直して北信越リーグでは優勝。さらに地元開催での国体でも、見事に優勝を果たしている。

 赤タスキのデザインで知られる刈谷は、10年にJFLから東海リーグに降格。そろそろ全国の舞台に復帰したいところだが、今季は鈴鹿とのデッドヒートに敗れて2位に終わった。福井との対戦は、中盤でお互いの良さを消し合う展開となり、両者スコアレスのまま80分間が終了。ベスト4進出のチケットは、PK戦の結果に委ねられることに。

 ここで奮闘したのが、刈谷の守護神・藤沢純也。グローブで手拍子をとる独特の構えで、見事に福井の2番手を止めてみせた。キッカーの5人も全員が成功し、53で刈谷が勝利。一方、同時刻に新浜緑地多目的球技場で行われた栃木U対お京都は、こちらもPK戦でお京都が関東チャンピオンに競り勝った。この時点で「権利持ち」は、中国リーグ優勝の松江のみ。

 その松江と第2試合で対戦するのは、北信越2位のアルティスタ浅間。長野県3番目のJクラブを目指しており、松本山雅FCで活躍した柿本倫明氏が強化部長を務める。個人的に注目しているのは、塩沢勝吾(写真中央)、36歳。地元・上田市の出身で、山雅とAC長野パルセイロでプレーしたのち、北信越の浅間にプレーの場を求めた。

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