宇都宮徹壱ウェブマガジン

アルビレックス新潟のV字回復を支えるもの「クラブの危機」で問われるフロントの発信力」

 スポナビに連載中の『J2・J3漫遊記』の取材で新潟に来ている。新潟といえば、今月の日本代表の取材で訪れたばかりだが、アルビレックス新潟のホームゲームとなると、2011年の天皇杯以来。ではリーグ戦の取材はいつ以来かというと、いろいろ記憶をたどっていくうちに2003年の11月23日にまで遡ることに気がついた。当時J2だった新潟が、J1昇格とリーグ優勝を決めた、あの日である。

 あれから15年。新潟は再びJ2を舞台に戦うことになった。この日の相手は、3位のFC町田ゼルビア。迎え撃つ新潟は15位で、前々節のヴァンフォーレ甲府戦に引き分けたことで、すでにプレーオフ圏内に滑り込む夢を絶たれてしまった。それでも6連勝を含む、目下8試合負け無し。この日も後半に渡邉新太の2ゴールにより、2-0で勝利した。当日、スタジアムを訪れていたのは1万6091人。久々に勝利の「ハルヲスウィング」を間近で見て大いに感動した次第である。

 周知のとおり、今季の新潟は「1年でのJ1復帰」を合言葉に15年ぶりのJ2に臨んだ。序盤戦こそ順調だったものの、4月に4連敗、さらに7月下旬から8月にかけて6連敗を喫し、じりじりと順位を下げてゆく。だが、9月8日のFC岐阜戦で8試合ぶりの勝利を飾ると、その後は見事なV字回復。果たして、誰もが下を向いていた失意の日々から一転、選手もスタッフもサポーターも自信を取り戻すことができたのはなぜか? その疑問を明らかにするのが今回のテーマなのだが、そのアウトラインはおおよそ見当がついている。

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