【無料公開】「タイガーマスクは意識していなかったです」 ティガーマスク(ヴァンラーレ八戸サポーター)<1/2>
■マスクを被ったまま飲み会に参加
——ティガーマスクが誕生したのは、東北リーグ時代だったわけですが、その頃の周囲の反応はどんな感じだったんでしょうか?
ティガー 最初はすごい批判というか、叩かれましたね、ほんと「ふざけるな」って感じで。でも、自分としては(マスクを)脱げない理由もあるんで。
——いわゆる「色物サポ」って、いくら本人が真剣であっても、そういう反応ってやっぱりありますよね。それでも自分のスタイルを曲げずに応援していたと。
ティガー そうですね。それと並行して、毎週金曜日には八戸市内で(週末の試合の)告知チラシ撒きをしていました。「今度、八戸で試合がありますので、ぜひ観に来てください」って。チラシを撒くだけじゃなくて、路上ライブといいますか、駅前で太鼓を叩いたりもしていましたね。そんな活動をしているうちに、だんだん認めてくれるようになって。
——ちょっと待って下さい(笑)。その格好で、駅前で太鼓を叩いていたと? お巡りさんが来ませんでした?
ティガー もちろん来ました(笑)。職務質問もされましたけど、今ではぜんぜん大丈夫になりましたね。向こうも「ああ、またやってる」みたいな感じで。
——なるほど。コアサポやお巡りさんに認められたのはわかりました(笑)。クラブ側の反応はどうでしたか?
ティガー やっぱり最初は、面白くなかったと思います。「変な真似はやめろ!」みたいな感じだったんですけど、アウエーにも毎試合、応援するようになってから、だんだんと認められるようになりましたね。
——継続は力なり、ですね(笑)。一方でティガーさんは、SNSでの発信にも力を入れていますし、アウエーでも現地のサポーターと交流を深めることで、非常に知名度を増している印象なんですけど。
ティガー そうですね。アウエーに行けば、持って帰れないくらいのお土産をいただいたりしますねえ。いわゆる「アウエーの洗礼」とはまったく無縁です(笑)。今回の武蔵野戦も「来るんですか、来ないんですか?」というメールをあちこちからいただいて、そうなると行くしかないですよね(笑)。
——なんだか引っ張りだこじゃないですか(笑)。「アウエーの洗礼」がないということは、試合後には現地のサポーターと飲みに行ったりするわけですか?
ティガー そうですね。試合が終われば、飲みの席で意見交換とか、情報交換して。
——飲みに行く時も、マスクは脱がないんですか?
ティガー 普通に被っていますね。汗かくんですけど(笑)、飲み食いするのはまったく問題ないです。
——まさにマスクマンですね(笑)。昔のプロレスラー、たとえばデストロイヤーとか、ミル・マスカラスとか、マスクを脱がずにステーキを食べていたことを思い出しましたが、ティガーさんはまさにその系譜を継いでいますよね!
ティガー サポーターのみなさん、とりわけ子供たちの夢は壊したくないんです(苦笑)。そうこうしているうちに、ますます脱げなくなっていったという感じですね。
——JFLを代表するもうひとりの「マスクマン」として、やっぱりロック総統の名前を挙げないわけにはいかないんですが、ティガーさんから見た彼の印象はいかがでしょうか?
ティガー 去年、八戸まで来てくれて、30分くらいお話する機会があったんです。すごいなと思ったのは、あの人はホンダロックだけでなくて、JFLだったり日本のサッカー界だったり、とても広い視野で考えていることですよね。私は単に、ヴァンラーレ八戸を応援しているだけですから。
<2/2>につづく(11月30日12時更新予定)