メディアセンターは最高、ボランティアは「?」 オフ・ザ・ピッチで振り返るUAEのアジアカップ
アルアインでの日本とイランの準決勝の取材を終えて、決勝の舞台となるアブダビに向かうバスの中で本稿を執筆している。この試合についてはこちらに書いたとおり。本題に入る前に、コラムで書ききれなかったことについて言及しておきたい。それは、ノックアウトステージ以降の日本の戦いが、まさに「半端ない!」くらいに安定していることだ。
過去4回のアジアカップ優勝のうち、日本が最も「盤石」といえる戦いを見せたのが、2000年のレバノン大会である。フィリップ・トルシエ率いる日本は、グループステージを2勝1分けでトップ通過すると、準々決勝でイラクに4−1、準決勝で中国に3−2、決勝でサウジアラビアに1−0で勝利して見事に優勝。確かに、他を圧倒する強さを見せていた日本だったが、失点ゼロは決勝のサウジ戦のみであった。
04年の中国大会(監督はジーコ)、そして11年のカタール大会(監督はアルベルト・ザッケローニ)でも日本は優勝しているものの、いずれも延長やPK戦による決着があり、薄氷を踏む思いでの優勝だった。苦しみ抜いた末の優勝ゆえ、もちろん喜びは大きかった。しかしながら、どちらに転んでもおかしくない試合が、まったくなかったわけでもないのも事実である。
ところが今大会はどうだろう。確かにグループステージでは、先が思いやられるような失点もあったが、それでも3戦全勝。そしてノックアウトステージに入ってからは、サウジとベトナムに1−0、そしてイランに3−0と、いずれも失点ゼロの90分勝利である。もちろん、まだ優勝が決まったわけではない。それでも、ここまでの日本は過去のどの大会よりも、安定感のある戦いを見せているのは間違いない。
大会終了後、当WMではアジアカップの総括企画を予定しているので、この続きはその際にじっくり考察することとしたい。本稿では、間もなく閉幕となるUAEでのアジアカップについて、オフ・ザ・ピッチに絞って振り返ってみたいと思う。いささか覚書めいたものになるが、隣国のカタールでは3年後にワールドカップが開催される。UAEとカタールは現在断交中であるが、共通点も少なくないので何かの参考になれば幸いである。
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