宇都宮徹壱ウェブマガジン

1カ月にわたる「王座奪還」の戦いの裏側で WMフォトギャラリー<アジアカップ篇1/2>

 1カ月にわたるUAEでのアジアカップについて、あらためて現地で撮影した写真と共に振り返ってみることにしたい。今大会は51試合中20試合を取材。サッカーの国際大会で、全試合の半分近くを取材するのは、かなり稀なケースである。それが可能だったのは、シャルジャを除く開催都市に2つ以上の会場があったこと。そして開催都市間のアクセスが、比較的容易であったことが挙げられよう。

 実のところ、中東での長期間にわたる取材は、あまり気乗りしないことが多い。風景はどこも同じだし、フットボール文化の濃度は薄いし、食事が淡白で酒も飲めない。ただし、そういう環境だったからこそ、いつも以上に取材現場に集中することができたようにも思う。おそらく3年後のカタールW杯も、観光や食事には目もくれず、ただただ試合観戦という大会になりそう。その意味で今大会は、2022年の予行演習の要素も少なからずあった。

 さて、今回のフォトギャラリー。現地ではトレーニング取材よりも試合取材を優先させたため、日本代表の写真はほとんど出てこないことをお断りしておく。その代わり、会場で出会った景色や人々、さらには興味惹かれた風物や食事についても、できる限り言及してみた。当初は「何もない」と思っていたUAEであったが、1カ月にわたる滞在の間には、それなりに発見もあったように思う。最後までお付き合いいただければ幸いである。

 まだ正月気分が抜けきらぬ中、1月6日の早朝にアブダビ国際空港に到着。入国スタンプをよく見ると、アジアカップ仕様になっていて少しうれしい。セパタクローのボールのような今大会のエンブレムは、個人的にはとても気に入っている。

 開幕戦が行われる、シェイク・ザイード・スタジアムへ。AD(アクレディテーション)カードを入手するために、あちこち歩き回ることとなった。今大会は、外国人に対するインフォメーションがかなりいい加減で、それは他の会場でも痛感するところであった。

 会場内を散策していると、われらがキャプテンを発見! 長谷部誠が日本代表を退いて初めて臨む今大会、そのあとを継いで腕章を巻く吉田麻也のプレッシャーはいかばかりであろうか。このアジアカップで、精神面でのさらなる成長を期待したい。

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