「残留請負人」前讃岐監督・北野誠が語るJ2監督論。魔境を生き抜く極意とは?(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

ソーシャルメディアマーケティングから考える JクラブはSNSとどう向き合うべきか?<1/2>

 新シーズンが開幕したばかりの2月24日、「ベガルタ仙台 Twitter公式アカウント運用開始のお知らせ」というリリースが、他サポの間でもちょっとした話題になった(参照)。というのもJ1クラブの中で仙台だけが、最後までTwitterの公式アカウントを開設していなかったからだ。JクラブにとってのSNS活用は、今ではすっかり不可欠なものとなって久しい。

 思えばJリーグのSNS活用は、少し以前まではずいぶんと濃淡の差があったように記憶している(中には選手のTwitter発信を制限するクラブもあったくらいだ)。ところがある時期から、各クラブは足並みを揃えるかのように公式アカウントを開設。クラブや選手だけでなく、「中の人」と呼ばれるクラブスタッフもプロフィールを公表した上で、積極的な発信を行うことも珍しくなくなった。

 私がTwitterを始めたのは2009年8月だから、もう10年前の話になる。当初はTwitterの社会的な影響力も限定的であり、いわゆる「インフルエンサー」という概念も今と比べるとはるかに希薄であった。早くから公式アカウントを持っていたクラブもあったが、当初は当たり障りのない告知ばかりで「140字しか使えないんだったらHPのほうがいいのでは?」という声もあったくらいだ。

 ソーシャルメディアマーケティングについて、Jクラブが積極的に意識するようになったのは、ここ3~4年くらいの傾向であろう。その背景には何があるのだろうか──というのが今週のテーマである。ゲストにお招きしたのは、Twitterアカウントjigen_1(@kloutter)でお馴染みのじげんさん。じげんさんは、ソーシャルメディアマーケティング企業のマーケターであり、最近は各種スポーツチームやアスリートからの直接的な相談も増えているそうだ。その界隈での第一人者であり、奇しくも仙台サポでもある。

 じげんさんの存在を知ったのは、えとみほさんがスポーツナビで書かれたこちらのコラムがきっかけである。えとみほさんからご紹介いただき、タグマ!のSNS戦略についてアドバイスをいただく中で「それならJリーグ全体についても話を聞きたい!」ということで今回の取材が実現した。JクラブのSNS担当のスタッフにも、ぜひ読んでいただきたいインタビュー。最後までお付き合いいただければ幸いである。(取材日:2019年2月12日@東京)

<目次>

*栃木SCがSNS講習会を開催した理由とは?

*Jリーガーは基本的にInstagram向きだが

*槙野智章のプロフェッショナルなSNS活用術

*BリーグがSNSに活路を見出そうとした理由

*SNS活用が上手いクラブ、そうでないクラブ

*クラブは一次情報だけを適時発信すればいい

 

■栃木SCがSNS講習会を開催した理由とは?

──今日はよろしくお願いします。まずは昨年の栃木SCでのSNS講習会について伺いたいと思います。えとみほさんからのオファーだったようですが。

じげん そうです。まずクラブの方針として、SNSを積極的に活用していきたいと。Jリーグで最も選手のSNS発信に寛容なクラブを目指しているそうです。そのためには、プロサッカー選手としてマイナスとなるような投稿はしてほしくない。上手なSNS発信をすることで、まずは選手個人のファンを増やすこと。その結果として、クラブの集客アップを目指していきたいというのが今回の依頼でした。まあ、友人でもあるえとみほさんからの依頼だったので、断る理由もなかったし。

──じげんさんは仙台サポですから、J2の栃木SCの試合はほとんどご覧になったことがなかったと思うんですが。

じげん それが見に行ったんですよ。えとみほさんの新しい職場だということで、代表戦でJ1がない時に1試合だけ。行ってみたら、すごく面白かった! グリスタ(栃木県グリーンスタジアム)もサッカー専用ですごく見やすかったし。あとは屋根があって、アクセスも良ければ最高なんですけどね。

──確かに。実際に講習会をやってみて、選手はどんな感じで受講していたのでしょうか?

じげん 練習が終わった後に20人くらいが参加したんですが、教室に入ってくる高校生みたいな賑やかさで(苦笑)。こっちも高校の先生みたいに「おーい、いいですかー。よく聞いてー!」みたいな感じで。

──実際、受講した選手は若手が多かったみたいですが。

じげん 基本的に若手でした。ユースの監督も参加していましたね。すでにSNSをめちゃくちゃ使いこなしている選手もいれば、そうでもない選手もいて、関心の度合いも濃淡がありました。積極的に使いこなしているのは3人くらいですかね。ただ、どうすれば効果的に発信しているのかは、あまりわかっていないという感じでした。

──漫然とつぶやいたり、漫然と写真をインスタにあげてみたり。

じげん そう。つまりパーソナルメディアとしての活用ですね。それがチームに及ぼす影響とか、自分のためのブランディングであるとか、そういうところにつながっていくということを意識している選手はほとんどいなかったです。ですから今回の講習会でも、その部分は重点的に話しました。

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