「残留請負人」前讃岐監督・北野誠が語るJ2監督論。魔境を生き抜く極意とは?(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

ソーシャルメディアマーケティングから考える JクラブはSNSとどう向き合うべきか?<2/2>

ソーシャルメディアマーケティングから考える JクラブはSNSとどう向き合うべきか?<1/2>

 

■BリーグがSNSに活路を見出そうとした理由

──栃木SCがSNSに力を入れるようになったのは、えとみほさんの影響も当然あるんでしょうけど、最近はどのJクラブもその傾向が強くなりましたよね。背景には何があるとお考えでしょうか?

じげん Bリーグの存在も大きいと、僕は思っています。Bリーグは開幕当初からSNSを積極的に利用していて、しかも非常に上手だったんですよね。おそらくJリーグも、そのあたりに脅威を感じた部分はあったと思います。「JリーグとBリーグはシーズンがあまり被ってない」とか「ファンを食い合うことはない」なんて話をたまに耳にしますけれど、はっきり言って掛け持ちで応援はできないですよ。ファンにしてみれば、可処分時間とか処分所得の問題もありますから。

──例えば、仙台だったらベガルタ仙台があって、東北楽天イーグルスがあって、Bリーグだと仙台89ERSもありますよね。2つ以上、掛け持ちしている人って周りにいます?

じげん どっぷりサポをやっている人は、全部は見られないですよね。よく遠征するサポの場合、試合日程が発表されたら、すぐに早割りでアウエーの飛行機やホテルを押さえるじゃないですか。プロ野球やBリーグを見ようにも、可処分所得に余裕がないし、隙間時間もない。だから後発のBリーグとしては、ライトなスポーツファンを取り込むために、SNSを活用するっていうのは正しい選択だったと思います。それが上手くいって、Jリーグが取り込みたいライト層も取られてしまっていると。

──何となく「面白そう」と思ったライト層が、実際にアリーナに行ってみるとかなりの確率でハマると思いますよ。点はたくさん入るし、演出は派手だし、雨風やさ寒さに関係なく快適に過ごせるし。

じげん そうそう! 僕なんかは(仙台が)強豪チームとスコアレスドローだったら、どんな塩試合でも「よっしゃ! まずは勝ち点1ゲット!」ってなるじゃないですか(笑)。でもビギナーだと点数の入らない試合を「次も見に行こう」とはなかなか思わないわけですよ。しかも屋根なしスタンドで、雨なんか降った日には!

──楽天もあれだけ盛り上がっている中、ベガルタはよく頑張っていると思いますが。

じげん 長く応援しているサポーターに支えられているけれど、集客が増えているわけではないですからね。むしろ固定化されて、平均年齢がどんどん上がっている。それはベガルタに限った話ではないですけど。

──Bリーグはアリーナの集客に限界があるので、チケットは高めに設定されていますけれど、じゃあ「安いからJを見に行くか?」といえば、必ずしもそうではないですよね。

じげん Jリーグが抱えている問題って、ずっと変わっていないと思うんですよ。加えてJリーグのライバルはBリーグだけでなく、プロ野球という大きな存在もありますから。もともと歴史がある上に、最近はIT企業がスポンサーになって新しい試みをどんどん取り入れていますよね。DeNAのファン獲得の戦略とか、本当に上手いと思う。

(残り 4165文字/全文: 5459文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
1 2 3
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック