都並敏史、11年ぶりの監督復帰。その先に見据えるJへの旅路(J論)

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小説家と革命家が考える「地元にクラブがある幸せ」 津村記久子✕ロック総統✕宇都宮徹壱トークイベント<2/2>

小説家と革命家が考える「地元にクラブがある幸せ」  津村記久子✕ロック総統✕宇都宮徹壱トークイベント<1/2>

写真提供:YFFF

■西京極での試合は「勝ち負け以外でも楽しい」?

──総統の「J1でなくてもええじゃないか!」という思想のルーツですが、最近の若いサッカーファンにはきちんと伝わっていないように感じるんですよ。あらためて、総統がそういう思いに至った背景について語っていただけますでしょうか。

総統 僕にとってのファーストインパクトは、海外の仕事でイングランドに行ったときに、レイトン・オリエントFCという当時4部だったクラブのGMと話をした時なんですよね。レイトンって、ロンドンの郊外にある小さいクラブで、ホームページを聞くと「1973年にアーセナルに3-1で勝った」ことが一番前に出てくるようなクラブなんです。そこのGMと話をしたときに「ウチはプレミアを目指すようなクラブじゃないから」と言っていたのがすごく印象的だったんですね。

 どういうことかというと、すごく動きのいいFWの黒人選手がいたので「あの選手、いいですね!」って言ったら、「あれは2部のクラブから借りてきている。もうすぐシーズンが終わるから、そろそろ返すんだ」と。でもって、ユース上がりの若い選手をどんどん試合に出して、結果的に順位を下げていくんですよ。でも、当時のレイトンとしては「4部リーグがちょうどいい」っていう考えだし、若手が伸びて買われていけばクラブとしても万々歳なんですね。「なるほど、そういうことか!」って思いましたよ。

津村 首位のチームも残留を目指すチームにも、全部役割がちゃんとあるんですよね。それを「勝てる、勝てない」っていうところだけで評価するのはすごくもったいないと思うんですよ。勝ち負け以外でも楽しいことって、いっぱいあるじゃないですか。

 たとえば去年の8月の京都サンガの試合で、サンガフレンズスクエアがわけわからんことになってました。フレンズスクエアには「ぬり絵コーナー」があったり、おもちゃの修理をしてくれるボランティアさんがいらっしゃったりするんですが、その時は「爬虫類ふれあいコーナー」があって。

総統 爬虫類ですか!

津村 爬虫類ですよ! その時は確か、京都は引き分けだったんですよね。でもそれが気にならないくらい、試合以外にも本当にいろんな催し物があって、試合後は有名な和尚さんによる怪談話を聞いたのかな(笑)。それを知り合いに話したら「それで結局、何を観に行っていたんですか?」って言われたんですよ。

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