都並敏史、11年ぶりの監督復帰。その先に見据えるJへの旅路(J論)

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サッカーファンはラグビーの祭典をどう迎えるべきか? 秩父宮でのルヴァンカップと「反目し合う双子」の考察

 少し前の話になるが、まずは5月8日の水曜日に行われたルヴァンカップ、FC東京対ベガルタ仙台の話から始めたい。いつもはルヴァンの予選リーグには見向きもしなかった私が、なぜこの試合を取材することにしたのか? 確かに久保建英のプレーを見たい気持ちもあったが、それ以上に私の気持ちを掻き立てたのが、会場が味スタではなく秩父宮ラグビー場だったからだ。半世紀以上も都内に暮らしているが、実は秩父宮には一度として訪れたことがなかったのである。

 この日の久保は後半頭からの出場で、セットプレーで見せ場を作ったもののシュートはゼロ。61分には、仙台GKの関憲太郎が相手選手と激しく交錯し、担架で運ばれた時にはFC東京のゴール裏から励ましのコールが沸き起こった(関は下顎骨骨折で3カ月の離脱)。結局、試合そのものはスコアレスドローで終了。正直なところ、仙台がグループの首位通過を果たした以外、さほどトピックスの多い試合ではなかった。それでも私は、秩父宮での初めての取材に、とてつもない感動を得ることができた。

 私が感動したのは、(1)都心の一等地に球技専用のスタジアムがあること、(2)スタンドの作りがクラシカルな英国スタイルであったこと、(3)照明に照らされたピッチがひたすら美しく感じられたこと、そして(4)試合会場の最寄り駅が東京メトロだったことである。同じ地下鉄でも、東西線の葛西駅からバスに乗る江戸川陸上と違って、秩父宮は銀座線の外苑前。しかも徒歩でアクセスできるのである。仕事帰りに銀座線に乗って、さくっとアクセスできる「ラグビーの聖地」があることに、私は軽いジェラシーを覚えてしまう。

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