『俺のやることが山雅の伝統になってくれたら嬉しい』田中隼磨がJ1残留に向けて示す覚悟とは(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

ブラジル人元Jリーガーが大集合! 僕らが日本サッカーに感じること<1/2>

 今週はかねてより予告したとおり、コパ・アメリカ開催中にサンパウロのジャパン・ハウスで開催されたイベント「元サッカー選手・監督が語る日伯サッカーの魅力」の模様を再構成してお送りする。登壇したのは、以下の6人(カッコ内は所属当時のJクラブ名)。写真左から、セザール・サンパイオ(横浜F、柏、広島)、三浦泰年(清水、V川崎、福岡、神戸)、ワシントン(東京V、浦和)、カレカ(柏)、レヴィー・クルピ(C大阪&G大阪監督)、ビスマルク(V川崎、鹿島、神戸)の各氏である。

 当日の会場には、登壇者以外にもベッチーニョ氏(平塚、川崎F)や呂比須ワグナー氏(柏、平塚、名古屋、FC東京、福岡)といった懐かしい顔を見つけることができ、あらためて日伯のサッカー人脈の深さを実感できた。今はESPNの解説者を務めるサンパイオ氏の司会のもと、それぞれの日本とのつながりやJリーグでの思い出、さらには日本サッカーへの提言など、さまざまなテーマで討論した。いささか耳の痛い話もあるが、最後までお付き合いいただければ幸いである。(収録:2019年6月26日@サンパウロ)

<目次>

*カレカ「日本での4年間はかけがえの無い経験となった」

*ビスマルク「ヴェルディはいい意味で僕を裏切ってくれた」

*ワシントン「メンタリティの弱さは日本サッカーの欠点」

*サンパイオ「日本人は監督の言うことだけに従っている」

*クルピ「2050年にワールドカップで優勝? 日本が?」

*三浦「日本では今もクルピやレオンやネルシーニョが有名」

■カレカ「日本での4年間はかけがえの無い経験となった」

サンパイオ まずはレヴィー・クルピさんからお話を伺いましょう。レヴィー、あなたはセレッソ大阪とガンバ大阪で長く指揮を執ってきました。日本での豊富な指導経験から、どのようなものをブラジルに持ち帰ったのでしょうか。

クルピ 私は日本に10年近く暮らしていたが、こうしてブラジルに戻ってきてあらためて思うのは、私は日本にサッカーを教えに行ったのではなく、実は日本でサッカーを学びに行ったということだ。私が日本に行くことができたのは、ある種の「ボーナス」だったと思っている。日本での経験は素晴らしいものばかりだった。

 そして教育と民度において、われわれは日本から学ぶべきことが多い。戦争や自然災害など、日本は多くの艱難辛苦を乗り越えてきた歴史がある。それはサッカーについても同様で、日本のサッカー界は非常に組織化されていて、それが発展の原動力になった。それは、今回のコパ・アメリカに参加したU-22代表の活躍を見れば明らかだ。

サンパイオ カレカ、君は柏レイソルに来る前はマラドーナのいたナポリでプレーしていた。Jリーグが開幕したとはいえ、まだまだサッカーが発展途上だった日本に赴いた理由は何だったのだろう? そもそもカレカと日本との接点は?

カレカ 僕が初めて日本と出会ったのは、グアラニからサンパウロに移籍して2年目。その時に加入した水島武蔵が、僕にとっての日本とのファーストコンタクトだったね。そして85年、ミズノが作ったスパイク『モレリア』の開発に関わったことで、キャンペーンで訪日することができた。あれは本当に素晴らしいスパイクだったよ。

 その後、87年から93年まではナポリで6シーズン、プレーすることになった。マラドーナやフェラーラ、最後のほうはカンナバーロともチームメイトだったね。ナポリとの契約が終わってから、いったんブラジルに戻ったときに日立製作所の人たちと会うことになった。そこで言われたのは「日本でチャレンジしませんか?」というものだった。

 私が日本に来た時、柏レイソルは2部だった。ユニフォームは自分で洗濯したし、スパイクも自分で手入れした。のちにブラジルからホペイロを連れてきたんだけど、必ず日本人のスタッフを付けてノウハウを学ばせるようにクラブにお願いした。こうした技能を、きちんとクラブに残しておきたかったからだ。

 結局、トップリーグに上がるまで2年かかったけれど、私も日本についてはいい思い出しかない。子供たちは東京のアメリカンスクールで学んで、今でも日本語が少しできる。日本でのプレーを選んだのは、もちろんお金のこともあったけれど、日本サッカーに何かを残したかったし、私自身も日本での4年間はかけがえの無い経験となった。私のキャリアの中でも、非常に大きな部分を占めているといっても過言ではないね。

サンパイオ カレカ、ありがとう。次は、ビスマルクに聞こうかな。君が日本に来たときは、まだ若くて独身だった。最初はお母さんと一緒に暮らしていたと思うんだけど。

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