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宇都宮徹壱ウェブマガジン

ジェンダーを超えたスタジアム観戦の楽しみ方 えとみほ&ささゆかスペシャル対談<1/2>

 ACLとルヴァンカップを経て、いよいよ始まる今季のJリーグ。いろいろ気になる事案はあるものの、まずは新シーズンの開幕を心から寿ぐことにしたい。そんなわけで当WMも、時節柄にふさわしいコンテンツを提供するにあたり、他メディアではちょっと思いつかない対談を企画してみた。登場していただくのは、栃木SCマーケティング戦略部長のえとみほさん(写真左)、そして「マリノスケ命!」の横浜F・マリノスサポーターのささゆかさん(同右)である。

 対談企画の妙は、強烈なコントラストとそこはかとない親和性、というのが私の考え。えとみほさんとささゆかさんの場合、クラブのフロントスタッフとサポーターという立場の違いがある一方、抜群の発信力によってサッカーに関するさまざまな気づきを与えてくれる。そしてその気付きというものは、スタジアムで圧倒的マジョリティであるわれわれ男性にとって、まったく想像もしなかった斬新な視線であったり、いささか耳の痛い指摘であったりもする。

 今回の対談の趣旨は、新しいシーズンを見据えて、立ち位置の異なるふたりの女性による「サッカー観戦論」。細かいテーマ設定は設けない代わりに、ささゆかさんがfootballistaで発表した記事をフックにしながら、それぞれの視点で自由に語っていただいた。女性同士による「サッカー観戦論」というものは、既存のメディアでは味わえない新しさと豊かさに満ちあふれていた。その現場に立ち会えたことを誇らしく思うと同時に、おふたりには心からの感謝を申し上げたい。(取材日:2019年12月20日@東京)

<目次>

*えとみほ&ささゆか、それぞれにとっての2019年

SNSに意欲的な横浜FMとオールドメディアが強い栃木

*公式より個人アカウントのフォロワーが多い悩ましさ

*顔出ししたら「Jリーグがプロモーションで雇った女」?

*女性客に来てもらうために「トイレを何とかしないと!」

*えとみほ&ささゆか、それぞれが目指す2020年とは

えとみほ&ささゆか、それぞれにとっての2019年

──今日はよろしくお願いします。まず、えとみほさんからお聞きしたいんですけれども、2019年はJクラブの仕事に初めてフルコミットしたシーズンでした。日々の激務に加えて、最終節での奇跡のJ2残留と、さまざまなドラマがありましたが、あらためて振り返ってみていかがでしょうか?

えとみほ 本当にしんどい一年でしたね。成績面でいうと、夏場の京都サンガ戦くらいからずっと降格圏にいたんですね。そんな中、イベントをはじめとするマーケティング的な新しいことを実施しようとすると「今はそんなことをやっている場合じゃない!」って空気に、どうしてもなってしまうんですよ。それと集客に関しても、試合をするたびにどんどん減っていくというシビアな現実がありました。残留できたのは良かったんですけど、本当にしんどい一年だったなと思っています。

──なるほど。一方のささゆかさんは、2019年はどんな年でした?

ささゆか 今年一年、横浜F・マリノスはサポーターを巻き込んだ『沸騰プロジェクト』の2年目を迎え、クラブとサポーターのコミュニケーションが浸透したタイミングでの文字通り「全員でつかんだ優勝」だったんですね。そこに関わることができたのは、すごくうれしかったです。個人的にはnoteで発信したり、footballistaで原稿を書かせていただいたりして、いろんな方々に記事を読んでいただけたのが大きなトピックスでした。

えとみほ 私、ささゆかさんの文章は読んでいますよ。たぶん全部。クラブを運営する側からすると、たとえば「もう少し女性に寄せてやっていきたい」と提案しても、ニーズがないと言われてしまうと辛い。そういう時に女性サポーターの側から「もっとこうあってほしい」という発信があると、とてもありがたいですし、提案もしやすくなりますよね。

ささゆか そう言っていただけるとうれしいです!

──そんな、ささゆかさんのfootballistaの記事から、まずは「サポーター的情報発信のすゝめ 幸せなサッカーコミュニティを目指して」を紹介したいと思います。ささゆかさんが、この記事で最も伝えたかったことは何だったのでしょうか?

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