宇都宮徹壱ウェブマガジン

今季のJFLは7月18日開幕、1回戦総当りで降格なし 加藤桂三専務理事が語る、レギュレーション変更の背景

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、JFLは4月15日、今季の開幕戦を7月18日とすることを発表した。注目すべきは、リーグの後半戦(第16節)から1回戦総当りにするという決断を下したこと。試合数は半減するが、その分、リーグ戦というフォーマットは担保できる。また、今季に限り「降格なし」とする判断も、個人的には評価したい。この決断に至った経緯について、JFLの加藤桂三専務理事に話を聞いた(4月21日にZOOMにて取材)。

──まずは今回の結論に至った議論の経緯からお願いします。

加藤 3月に3回、4月にも2回、運営に関するTV電話での意見交換を行いました。その間にも、さまざまなチームと連絡を取り合って、今回の結論に至りました。議論の中では「もっと早くに開幕できないか」という意見も、ないわけではなかったです。当然、それぞれのチームに事情はあります。でも、そこはあまり自己主張することはなく、リーグ全体の状況を理解してくれていたと認識しています。

──レギュレーションの変更で思い出されるのが、東日本大震災が起こった2011年シーズンです。9年前と比べていかがでしょうか?

加藤 2011年の時も開幕が4月23日にずれ込んで、被災したソニー仙台FCはリーグ後半戦からの参加となりました。最初は「試合どころではない」という雰囲気もありましたが、ある時期から「スポーツで日本を元気に」という空気に変わり、結果として(ソニー仙台を除き)何とかホーム&アウェーでの開催となりました。今回はコロナによる影響を鑑みて、「試合数が半分になる」という状況を理解していただいてからの開幕となります。

──1回戦総当りのレギュレーションは、過去に一度だけ、2002年シーズンにも採用されていますよね?

加藤 あの時は01年のシーズンが終わった時点で「来年は18チームによる1回戦総当り」ということが決まっていました。ワールドカップ開催がありましたからね。あの年、18チームになったのは、Jリーグを目指すチームの特別措置があったからです。ただし03年は16チームに戻すので、17位と18位が自動降格、15位と16位が入れ替え戦に回ることになりました。

──その年に降格したのが、アルエット熊本とプロフェソール宮崎でした。入れ替え戦に回ったチームは覚えていますか?

(残り 1816文字/全文: 2778文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ