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第100回天皇杯はどんな大会になるのだろうか? リアル『フットボールネーション』への密かな期待

 先週の木曜日、天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会(以下、天皇杯)の新しい大会方式が発表された。新型コロナウイルスの感染拡大により、47都道府県の代表決定戦の開催もままならない中、5月23日と24日に予定されていた1回戦も延期。再開後のJリーグに負荷をかけず、第100回記念大会をきっちり開催し、なおかつ来季のACLに相応しいカップウィナーを送り出すにはどうすればよいのか。JFA内部では、さまざまな議論があったはずだ。結果、以下のような改正案となった。

・参加チーム数を88から50に削減。47都道府県代表+アマチュアシード(Honda FC)+J1上位2クラブとする。

・大会を8回戦制から7回戦制とする。

・9月16日に1回戦を開催。以後の開催日は、9月23日(2回戦)、10月28日(3回戦)、12月12・13日(4回戦)、12月19・20日(準々決勝)、12月27日(準決勝)。決勝戦は来年の1月1日に行う。

・都道府県代表は「第1種加盟チームでJクラブを含まない」こととし、すでに決定しているJ3クラブは参加除外とする。

J1上位2クラブは準決勝から参加。

J1クラブ以外が優勝した場合、ACL出場チームはJ1上位チームに振り返られる。

 いろいろ注目点やいくつか疑問点もあるが、まず感じたのが「第100回の記念大会」の重みである。SNSを見ると「第100回大会を来年に延期すればいい」という意見もあったが、天皇杯は開催されなくても回数はカウントされる。ちなみに、これまで中止となったのは8大会。このうち5大会(第21回から第25回)は第二次世界大戦のためであったが、大正天皇崩御(第6回)や極東選手権の準備のため(第14回)中止となった大会もあった。中止の理由は、実は戦争ばかりではなかったのである。

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