宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料公開】蹴球本序評『お取り寄せできるスタグルメ』ツバキハウス制作

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、いまだに再開のめどが見えないJリーグ。フットボールと同じくらいご無沙汰しているのが、スタジアム観戦でのグルメ「スタグル」である。そんな中、自宅に取り寄せができるスタグルを集めた本が、わが家に送られてきた。著者は、自宅でのスタグル再現のシリーズ本で知られているshaker。さん。さっそく【まえがき】から引用する。

「サッカーのある週末」が当たり前じゃなくなった今年。サッカーだけでなく、人々の生活も今まで普通に出来ていたことが出来なくなり、外出する事も外食する事も叶わない。(中略)当然、スタジアムグルメも食べに行く事は出来ない。ならば、おうちでスタジアムグルメを食べればいいじゃない。(中略)今ならおうちから一歩も出ないでスタジアムグルメが食べられます。各地の評判の味を集めてみました。

 今回のラインナップは右のとおり。カマコロ(讃岐)、みかづきのイタリアン(新潟)、桜坂のモツ煮(山形)、チャンピオンカレー(金沢)、いもくり佐太郎(福島)、飛騨牛「こもり」の牛串(岐阜)、ハラミメシ(鹿島)、角煮まんじゅう(長崎)、山賊おやき(松本)、燻製たまご(徳島)。すべて取り寄せが可能。私もハラミメシを購入して食べてみたが(参照)、自宅で食べるスタグルは味覚と記憶を同時に刺激して、妙なクセになりそうだ。

 これまでのシリーズと違い、スタグルのレシピもなければ、完成品の写真もない。写真は載せてほしかったが《本の制作期間が18時間という突貫スケジュール》となれば致し方あるまい。むしろ一日も早く、サポーターの飢餓感と飲食事業者の危機感を解消せんとする、その心意気とスピード感に拍手を送るべきだろう。本書は書籍コードがない「同人誌」だが、こちらのサイトから400円で購入できる。

【引き続き読みたい度】☆☆☆☆★

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