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【ほぼ無料】7人の漫画家が集結! 障がい者サッカーTシャツ秘話 ちょんまげ隊長ツンさんが語るコロナ時代のボランティア<2/2>

【ほぼ無料】7人の漫画家が集結! 障がい者サッカーTシャツ秘話 ちょんまげ隊長ツンさんが語るコロナ時代のボランティア<1/2>

<2/2>目次

*最低でも70万円を集めて、10万円ずつ振り込む形に

*「3.11」はずっとTVを見て、何もできない自分に凹む

*「これからは、少しやり方を変えていくべきなのかなと」

 

最低でも70万円を集めて、10万円ずつ振り込む形に

──7つの障がい者サッカーが7人の漫画家によって描かれた、ツンさん渾身のTシャツですが、これはいつから販売になるのでしょうか?

ツン 今、漫画家の皆さんからの許諾を待っていて、7月15日から告知と販売を開始する予定です。狙ったわけではないんですけど、皆さんの出版社が全部違うこともあって、それで確認に時間がかかっている状況ですね。

──販売はネットのみですか?

ツン 今回は、鹿児島ユナイテッドFCのパートナー企業である、GMOペパボというインターネットサービス提供会社が、サービス利用費用を支援して協力していただけることになりました。7月15日から8月の末まで、1カ月半にわたって売っていきたいですね。それと、サッカーをサポートしていただいている飲食店で「売りたい!」と手を挙げて頂ければ、喜んで置かせて頂きます。このTシャツきっかけに、お店にお客さんが戻ってくるきっかけになれば、僕らとしても本望ですから。

──今はまだサンプルがありませんが、いつ頃に完成予定で何枚くらい売る予定でしょうか。

ツン 7月10日には色見本ができます。ここから7色を選んで、7月15日に注文の受付開始。初回発注分は7月末にはお手元に届くように頑張ります。今回は7色のTシャツを50枚ずつ用意して、初回はトータルで400枚弱ですかね。大きなトラブルがなければ、1枚あたり1700円の利益が出るように設定します。

──そうすると目標金額は?

ツン 収益すべてを寄付しますので、最低でも70万円を集めて、7団体に10万円ずつ振り込む形にしたい。もしも売れ残ったら、僕が全部買い取ってでも寄付するつもりです。売る事、広める事が目的なので、数がまとまれば、あなたが所属する団体のために、専用の色のTシャツも製作します。やれることは全部やります

──確か4年前の熊本地震のときも、Tシャツを作っていましたよね。あれは最終的に回収できたんでしょうか?

ツン カッコつけて、先に熊本に100万円振り込みましたからねえ(苦笑)。だいたい回収できましたけど、まだ20枚くらい僕の手元に残っていますね。あの時も僕が買い取って、いろいろなイベントを開催するたびに販売していました。今回もデザイナーの方には「最終的なリスクは全部、僕が被ります」と約束しています。

──そんな約束して、大丈夫ですか?

ツン こういう活動って、やっぱり言い出しっぺが最終的な責任を持つことが、何より重要なんですよ。それがないと、間違いなく信用されなくなってしまいますから。2011年から、すっとそのスタンスでやってきたので、今も続けられているんだと思っています。

──それって、すごく大切なことですよね。でも、ツンさんにこれ以上の負担がかからないように、なるべく多くの人たちにTシャツを買っていたただきたいところです。ツンさんとしては、どういう人たちに買ってほしいと思っています?

ツン まずは障がい者サッカーのことを、まったく知らない人たちですよね。日本代表やJリーグのことは、サッカーに関心がなくてもほとんどの人たちが知っていると思うんですよ。でも、障がい者サッカーのことを知っている人って、残念ながら僕らが思っている以上に少ないんですよね。だからこそ、このTシャツを着ている人たちが、あちこちで見かけるようになるといいなって思っています。

──それにしても、いつもの勝手連で、ここまでできてしまったことが、やっぱりすごいなと思ってしまいます。まさにツンさんの真骨頂ですよね。

ツン 僕みたいな、何の取り柄もないオッサンでもできてしまうんですから、もっとスマートにできる人だったり、あるいは組織だったりが出てきてほしいですね。それこそJIFFだったり、JFAだったりの中から、こういうプロジェクトがどんどん生まれてほしいです。

──このTシャツプロジェクトが、ツンさん自身の活動の集大成であったように、7つの障がい者サッカー団体にとってもターニングポイントになってほしいですよね。

ツン そうですね。サッカーは僕らにとって大切なものですが、サッカーの方ばかりを向いていてもダメだと、僕はいつも思うんですね。6年前の「トモブラ」にしても、一般紙に取り上げてもらったことで、ようやく広がっていった感じでした。サッカーの世界の中だけだと、やっぱりどうしても限界があるので、もっともっと分母を広げていく必要があると思っています。

──たとえばですが、他の障がい者スポーツにも横展開をしていくというのはありじゃないですか?

ツン サッカー以外にも、たくさんの障がい者スポーツがありますからね。このプロジェクトを見て「自分たちでもやってみよう」という新たな動きに発展すれば、たくさんの人に協力していただいた甲斐があります。微力ですがお手伝いしますので、遠慮なく声をかけてください!

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