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沼田前社長の12年間があったからこそ今の自分がある 小島耕(水戸ホーリーホック代表取締役社長)<1/2>

 今週と来週は、2週にわたって水戸ホーリーホックを特集する。水戸といえば先月、Yahoo!個人ニュースにて、前社長の沼田邦郎さんの記事を発表した。2日間にわたる現地取材では、ご本人をはじめ何人かの関係者にインタビューしているが、原稿には反映されなかった部分を中心に、2本のインタビュー記事にまとめて掲載することとした。今週は、今年7月に新社長に就任したばかりの小島耕さんにご登場いただく。

 小島さんは茨城県鉾田市出身の45歳。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』のデスク時代に、何度かお仕事をご一緒させていただいている。その後、映像制作会社を立ち上げ、昨年4月に水戸ホーリーホックの非常勤取締役となり、1カ月足らずの副社長時代を経て、7月16日に新社長に就任。前任の沼田社長時代は12年間続いただけに、今回の社長交代はクラブ関係者以外でも話題となった。

 何しろ12年ぶりの社長交代、しかもコロナ禍という非常に難しいタイミングである。その背景には何があったのか。そもそもメディア畑を歩んできた小島さんはなぜ、故郷のJ2クラブに招かれることとなったのか。そして社長就任後、このクラブをどのような方向に導こうと考えているのか。トップの交代というものは、どのクラブにとっても重要かつセンシティブなテーマ。ゆえに本稿は水戸サポのみならず、多くのJサポにも響く内容であると自負する。(取材日:2020年8月2日@水戸)

<1/2>目次

*「経営の着地点が見えない」中での社長就任

*クラブと関わるきっかけを与えたのは意外にも

*前社長と現社長を結ぶ知られざる接点とは?

■「経営の着地点が見えない」中での社長就任

──まずは今日の勝利(対ツエーゲン金沢戦=32)、おめでとうございます。社長になってから試合を見るのは、それまでとは感覚がまったく違うものなんでしょうか?

小島 ぜんぜん違いますね。もちろん試合には勝ってほしいんですが、それ以上に選手がフェアプレーに徹しているかとか、審判に文句を言っていないかとか、そちらのほうに目が行くようになりました(苦笑)。試合だけでなく業務に関しても、やっていることは以前と変わらなくても、見え方が違って感じられます。この1年、僕は事業周りを任せていただいていたんですが、視点がマクロ的になったと思っています。どうすれば大きなスポンサー獲得につながるかとか、それは会社が目指す方向性と合致するかとか。

──社長就任から3週間が経ちますが、試合や仕事の見え方以外にも、ご自身の中で変化を感じることはありますでしょうか?

小島 周りからは「丸くなった」と言われるようになりましたね。自分でも大人しくなったというか、気を遣って会話をするようになりました(笑)。自分が社員に発した言葉というのは、会社にとってのファイナルアンサーとなりますから、そこは上手く伝えないといけないと心がけています。それと、社員が気持ちよく働ける環境についても、気をつけるようになりました。組織として成長することはもちろん大事ですが、待遇面も含めて社員が気持ちよく働けることについても目配りするようになりましたね。

──そういえば去年、残業代未払いとパワハラ問題が明らかになりました。そうしたものを生み出す土壌を変えていこうと。もちろん待遇面の改善というのは、どのJクラブにとっても重要なテーマではありますが、なかなか一朝一夕にはいかないですよね?

小島 おっしゃる通りです。われわれは2月から新しい期に入るのですが、その前に給料についてフロントスタッフと交渉が始まります。プロパーの方、業務委託の方、雇用形態はさまざまです。ただし東京で働いていた感覚からすると、ちょっとしんどい金額だったりもするんですね。Jクラブという職場は、輝いて見えるように見えて、そういうアンバランスな面があるのも事実です。でも、そこを変えていかないと業界全体が伸びないし、競技そのものも強くなっていかないと思っています。

──それでも、ここ2~3年は優秀なスタッフが続々と入社していますよね。今年もコロナ禍にもかかわらず、3人が新たに入社したと聞きました。現在、社員は何人ですか?

小島 プロパーが13名、業務委託が約10名ですね。去年、僕がこっちに来た時には、プロパーの数はもっと多かったのですが、この1年で業務委託を増やしていきました。ただし理想は、全員がプロパーになることです。

──それにしても、コロナ対応が非常に難しいタイミングでの社長就任でした。もちろん、ご自身も覚悟の上で受け入れたと思うのですが。

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