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ひとつの時代を終えた松本山雅にどう向き合うべきか? 短命に終わった「布時代」をサポ目線で考える<2/2>

ひとつの時代を終えた松本山雅にどう向き合うべきか? 短命に終わった「布時代」をサポ目線で考える<1/2>

<2/2>目次

*布監督は「いつも困った顔をしている」?

*在任中に後継者を残せなかった反町前監督

*今季の苦しみは「55分の1でしかない」

布監督は「いつも困った顔をしている」?

──松本山雅FCというクラブが、なぜ全国的に注目されたかというと、言うまでもなくその集客力でした。単純に勝てなくなった、あるいは監督が代わったからといって、それがダイレクトに集客減になるとは考えにくい。おそらく、コロナ禍による中断期間の影響もあったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

細川 それはあるかもしれませんね。ご存じかと思いますが、山雅のサポーターは高齢者の方も多いんです。DAZNなんかでもよく映り込んでいましたけれど、まるで孫の運動会を見ているかのような(笑)、おじいちゃんやおばあちゃんがスタンドにいたんですよ。その人たちが、ごっそりいなくなってしまったんですね。

──山雅の応援というのは、大声援の高揚感がある一方で、どこかほっこりした雰囲気もありましたよね。それを作り出していたお年寄りがいなくなったことで、スタンドが殺伐とした雰囲気になってしまったというのは?

細川 あると思います。でも、お年寄りが感染リスクを回避するために、アルウィンでの観戦を控えているとしたら、それは仕方がないとも思います。高齢者ゆえのリスクというのもありますけれど、東京と松本とでは「コロナに感染しました」という意味が、まるで違いますからね。そこは地方ゆえの課題だと思っています。

──なるほど。ところで今回の座談会を企画した意図としては、今季の山雅の不調を皆さんがどう見ているのかというのがひとつ。そしてもうひとつが、今の状況を皆さんがどう受け止めているか、ということ。山雅の歴史って、昇格の夢を絶たれたりJ1から1年で降格したり、いろいろあったけれども、全体的には右肩上がりを続けていたと思うんです。こういう閉塞的な状況が、地域にどのような影響を与えているのか。実際のところ、松本市民の山雅への眼差しというのは、どうなっているんでしょうか?

平林 自分の会社では、山雅に関心があるのは自分と常務だけなんですよ。同僚はたまに「昨日の試合はどうだった?」とか声をかけてくれて、勝った負けたで反応してくれる感じですね。常務はネットでの山雅サポの反応を見て「大変だね」と言ってくれたりします(笑)。

──とりあえずJ1で降格ギリギリというのと、降格はないけれどもJ2で下位に沈んでいるというのとでは、まったく意味が違いますよね。

平林 J2に落ちても、またたくさんの勝利が見られると、みんな考えていたと思うんですよ。まさかJ2でこんなに勝てないとは、イメージできない人が多かったんでしょうね。

──でしょうね。シンさんの職場では、山雅の話題って出ます?

住山 ウチの職場は県外の人ばかりなので、あまり出ないんですけれども、数少ない地元のメンバーからは「あの新しい監督さん、いつも困った顔をしているよね」と。「いやいや、ああいう顔なんだよあの人」と(笑)。職場での会話は、それくらいですね。

──なるほど。これは山雅に限った話ではないですが、このコロナ禍でサポーターが抱えているストレスのひとつに「アウェーで応援できない」というのもあると思うんですよ。ひとみさんも、アウェーの時には積極的に遠征していましたよね。

細川 むしろ気の毒なのは、アルウィンでボランティアをしている方々ですよ。皆さん、ホームの試合が見られないから、アウェーの遠征をとても楽しみにしていたんですよね。そういう方々と、遠征先で一緒に応援するのがすごく楽しかったんです。でも今年は、こういう状況ですから、ボランティアの人たちは一度も山雅をスタジアムで応援することができない。「ちょっと辛いよね」という話は、時々していますね。

──いろいろ話を聞いていると、布さんが可愛そうに思えてきました。もちろんプロだから結果がすべてですけど、あまりにもアンラッキーなことが重なっての今の成績になっている部分も否定できないんじゃないですかね? 実際のところ、山雅サポの間で、布さんを擁護する声というのはないんでしょうか。

住山 ウルトラスの何人かが、SNSで「布さんを支持しよう」という書き込みをしているのは見ましたね。少なくとも「良いところを知ろう」という意思は感じられます。

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