宇都宮徹壱ウェブマガジン

熊野の八咫烏探索、FC TIAMO枚方、そして中村憲剛の引退発表 10月26日(月)~11月1日(日)

10月26日(月)晴れ@新宮〜和歌山

 7時30分起床。体温36.5度。新しい1週間は、取材先の和歌山県新宮市から。今日は、今回の旅の最初のハイライト。熊野古道を踏破し、八咫烏で知られている熊野本宮大社を目指す。朝食後、いくつかメールを送り、身支度を整えてから、フロントに荷物を預けて出発。9時59分に駅前から出るバスに飛び乗った。

 ここから大社前までは、1時間20分のドライブ。これだけ長い移動だと、ついついPCを開いて仕事をしたくなるものだが、鬱蒼とした山道ときらきら光る熊野川のコントラストは、いつまで見ていても飽きない。途中、温泉街を通ると、そこからどっと乗客が増えた。このあたりの温泉は有名なのだろうか。11時20分、目的地に到着する。

 まずは上四社が祀られている本宮大社を訪問。158段の石段を登りきり、神殿内でお参りしてから撮影開始。神の領域に立っていることを感じながら、この地に舞い降りたという八咫烏のアイコンをあちこちで撮影する。いったん地上に降りてから、昼食はすき焼き定食。残念ながらGoToチケットは使えなかった。

 帰りのバスの時間まで、まだ1時間あるので近所を散策していると、かつて熊野本宮大社があったという、大斎原の巨大な鳥居を発見。その上部にも八咫烏が金色に輝いている。鳥居をくぐった左手には熊野川が流れていた。下界では味わえない神聖な美しさに、心が洗われるような思いがする。

 13時25分発のバスに乗車。Twitterをチェックしたら「弊クラブ所属選手の道路交通法違反について」というトレンドに胸騒ぎ。土曜日の試合で劇的なゴールを決めた、ガンバ大阪のアデミウソン選手が翌日に接触事故を起し、練習後に任意同行を受けて酒気帯びであることが判明したという。一気に下界に戻った気分になった。

 14時25分に新宮駅に到着。ホテルに戻って荷物をピックアップしてから、15時6分発の特急くろしおに乗車。ここから和歌山まで3時間の鉄道の旅だ。和歌山県は何と広大なのだろう。海を横目に見ながら、紀伊半島をぐるりと回る。目的地の和歌山市駅に到着したのは、どっぷりと日が落ちた18時48分であった。

 ホテルにチェックインしてから、夕食はこちらのお店へ。店主は四中工サッカー部黄金期のメンバーで、中田一三さんと寮で一緒だったとのこと。同業の前田カオリさん、そして彼女のご友人と和歌山のサッカー話で盛り上がる。22時に散会。前田さんに夜の和歌山城を案内してもらい、ホテルに23時前に帰着。明日の準備をして、23時30分就寝。

三笘薫や旗手怜央たち大卒選手が持つ強み、「幅」と「深さ」で深掘りできる4年間

シャンゼリゼ通りで泣く僕が、国境の街である女性に教わったこと。

日本から捨てられた土地で生まれて

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