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ブラウブリッツ無敗優勝に「オシムの一番弟子」が思うこと 「秋田スタイル」確立に尽力した間瀬秀一の現在<2/2>

ブラウブリッツ無敗優勝に「オシムの一番弟子」が思うこと 「秋田スタイル」確立に尽力した間瀬秀一の現在<1/2>

<2/2>目次

*吉田監督が率いる沼津に敗れたことで得られたもの

*「地域におけるクラブの存在意義を高める」ために

*「自分たちのサッカーという考え自体がおこがましい」

吉田監督が率いる沼津に敗れたことで得られたもの

──2度目の秋田監督就任が発表されたのが、18年の7月11日でした。その5日後、この年のJ3を制する、FC琉球をホームに迎えることになったんですよね。

間瀬 そうなんです。幸い、直近のヴィアティンでの経験があったので、あの時と同じ準備をして琉球戦に臨みました。89分までスコアレスの状態を作って、秋田も何度か決定機を作ることができたんです。でも最後の最後で一歩届かず、90分に1本のクロスから決勝点を決められて敗れてしまったんですね。本番までの4日間、自分の指導者人生を懸けて、準備したんですよ。試合後、選手には「切り替えていこう」と話しましたが、そのあと岩瀬社長とふたりきりになって、僕は思わず号泣していました。

──そうでしたか。試合結果だけを見たら「琉球が秋田に順当勝ち」ということになるんでしょうけど、実はそういったドラマがあったんですね。結局、その年は17チーム中8位。翌18年も秋田を率いることとなりました。ここで私が注目したのが、吉田さんが率いていたアスルクラロ沼津との対戦です。スコアを調べてみたら、02、01、01でした。この3試合で、記憶に残っていることってあります?

間瀬 19年にホームで負けた試合(8月30日)ですね。意図的にボールを回して、前半から何度も相手陣内に攻め入っているんですが、なかなかゴールを奪えない。結果、後半の早い時間帯で失点して、それが決勝点になりました。この時点で、われわれの攻撃は8割くらい完成していたと思っていたんですよ。けれども、残り2割の足りない部分を突かれて、吉田さんの沼津に敗れた。そこからですね、攻撃面で新たな取り組みを始めたのは。結果として、その後の2試合、秋田は大勝しているんですよ。

──(当時の記録を検索して)沼津にホームで01で敗れてから、アウェーのガイナーレ鳥取戦に41、さらにホームのカマタマーレ讃岐戦に50で勝っていますね。沼津に敗れた後、どういうテコ入れを行ったのでしょうか?

間瀬 わかりやすく言うと、守備面はそのまま。攻撃面では、選手たちがより躍動できるように、決め事をシンプルにしたんですね。攻撃時にGKを除く10人が敵陣に入ったとして、5人の選手がゴールへ向かおうとしているのに、残り5人がボールをつなごうとしているというのは、どのカテゴリーでも見られる現象です。そこを、みんなが同じタイミングでゴールへ向かえるようにする。その判断の基準がエリアなのか、それともシチュエーションなのか、そういった部分を整理したんですね。

──そういえば吉田監督は、開幕前にコロナ禍で全体練習ができない状況の打開策として、選手にはフィジカルトレーニングの継続と戦術のシンプルさを求めていたと言っていました。シンプルさという部分では、昨シーズンの後半から今季につながる共通点なのかもしれないですね。もちろん、偶然なんでしょうけど。

間瀬 これまで5年間、監督業をやっていて思うんですけど、チームが力を発揮するためには、確かに戦術や決め事って大事なんですよ。でも結局のところ、それをやるのは選手なんですよね。だったら、選手の個人能力や発想力を発揮させることを、監督は考えないといけない。今いる選手の能力とか、戦っているリーグのレベルに応じてチームとしての決め事と選手が考え判断してプレーする部分との「配分」を考えないといけない。

──それもまた、オシムさんから学んだことでしょうか?

間瀬 そうですね。同じような試行錯誤は、オシムさんもジェフ千葉で経験しているんですよ。実はオシムさんは就任当初、4バックで行こうとしていたんです。

──え? それは初耳です!

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