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ヒダリトモに訊け! プロスポーツクラブお悩み相談室 第3回「コロナ禍での来季予算編成の考え方」

 B3リーグ、ベルテックス静岡のエグゼクティブスーパーバイザー、左伴繁雄さんによる月イチ連載の第3回。今回は左伴さんからの提案で、今まさにクラブ関係者が最も頭を悩ませているであろう、来季予算編成の考え方について語っていただく。

 今月で閉幕するJリーグ。いろいろあった2020年だが、コロナ禍の影響がクラブ経営に深刻な影響を与えるのは、むしろ21年であると言われている。ゆえに来季は、さまざまなリスクを想定しながら予算編成を組む必要があるだろう。具体的には、どんなリスクが考えられるのか? さらには都市部と地方とでの影響の違いや、危機を乗り切るためのヒントなど、ご自身の経験に基づきながら左伴さんに語っていただいた。

 なお前回に続いて本稿も、スポーツビジネスに関わる多くの方々に読んでいただくべく、12月8日12時まで24時間限定の無料公開とする。左伴さんへの質問も、随時募集中。表題を『ヒダリトモに訊け!』として、お名前、所属、お悩みの内容、そしてご連絡先を明記してWM編集部(infotetewm@targma.jp)まで。競技やカテゴリーは不問。お悩みが採用された方には、スタッフよりご連絡させていただきます。

目次

*来季、スポーツクラブに襲いかかる問題とは?

*首都圏クラブと地方クラブが受ける影響の違い

*降格がヒント? コロナ禍を乗り切るために

*今後「クラブ消滅の悲劇」は起こり得るか?

──今月もよろしくお願いします。本題に入る前に、浦議チャンネルのご出演、かなり話題になっていますね。

左伴 当初の想定を超えていましたね(笑)。今回は、笑えるネタや自分の経験を赤裸々に話して、興味を引きつけるというより、経営やサポーターについてなど、大所高所のような話が大半でした。そんな訳で、再生回数は伸びないかなと思っていましたが、第3回目がアップされた際に「今までの動画の中で第2位のスピードで伸びています」という報告をいただきました。

──サポーターはクラブ経営や、フロント人事についてかなり気にしています。左伴さんのような外側からの視点は、彼らにとってかなり意味のあるものだと思うので、とても良いマッチングだったと思いますよ。

左伴 最初は「とんでもないところに来たな」と思いました(笑)。念のため、清水のサポーターにも確認したんですよ。すると「フロントの話は、どこのクラブのサポーターも共通して知りたい願望があるので、浦議が代表してやってくれるのであれば是非!」というような反応でした。「清水エスパルスをやってくれた社長が、全国区になるのは誇らしい」とも言っていただけましたよ。

■来季、スポーツクラブに襲いかかる問題とは?

──なるほど。それではさっそく、今回のテーマである「コロナ禍での来季予算編成の考え方」について語っていただきたいと思います。これほどクラブ経営に影響があるアクシデントというと、まず思い浮かぶのが2011年の東日本大震災。当時、左伴さんは湘南ベルマーレにいらっしゃいましたが、翌年の予算編成に影響はあったでしょうか?

左伴 あまり、それは感じませんでしたね。東日本大震災の時は、スタジアムが破損して使用できないクラブが限られていました。法人収入の面でも、拠点が東北地方にある企業から支援を受けているクラブは影響を受けたと思いますが、大方のクラブはそうではありませんでした。むしろ2008年のリーマンショックの方が、全体的な影響を受けたと思います。法人がダメージを受けたので、スポンサーの中から減額や撤退が出ましたね。

──なるほど。多くの企業がダメージを受けたリーマンショックの方が、影響を受けたクラブの数も多かったと。では、その時の経験を踏まえて、来季に向けて注意すべき点を教えてください。

左伴 シーズン中に大きな変化が起きた時の「ダウンリスク」について、考えておくことですね。経営者が一番、頭を痛める問題です。少なくとも、東日本大震災やリーマンショックの時の比ではなくなると思います。

──ですよね。来シーズンは、Jリーグが始まって以来の危機的状況に立ち向かわなければいけないということですが、具体的にどんなことが想定されますか?

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