宇都宮徹壱ウェブマガジン

「もう一度Jの舞台へ」を後押しする試み #Reback プロジェクトを立ち上げた増嶋竜也さんに訊く

【編集部より】『#Reback -もう一度Jの舞台へ-』は無事に目標金額を達成しました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

「現役を引退してから、今季のジェフが始動した話を聞いて、正直なところ置いていかれるような悲しい気分はありました。それでも今回、#Rebackプロジェクトを立ち上げたことで、むしろ自分が選手を応援できている手応えを感じています。何もせずに自宅でTV観戦していたら、ものすごく切ない気分になっていたと思うんです。でも今は、所属チームのない選手を応援することで、現状を素直に受け入れることができていると思います」

 Zoom画面の向こう側でそう語るのは、昨年12月20日にジェフユナイテッド千葉で現役引退を発表した増嶋竜也さん、35歳。今季のJリーグ開幕戦、千葉のホームゲームを取材したことを伝えると、このような答えが返ってきた。増嶋さんはこのほど『#Reback –もう一度Jの舞台へ』というクラウドファウンディングを開設。目標金額は600万円で、3月3日6時時点での支援金額は523万5021円となっている。募集終了まであと4日ということで、当WMとしても増嶋さんの活動を微力ながら後押しすることにしたい。

 きっかけは今年1月25日のこちらのツイート。RTが653、「いいね」が2774という反響に、当人の肚は決まった。それから11日後、2月5日のツイートがこちらである。驚くべきスピード感で#Rebackプロジェクトを立ち上げ、目標金額600万円のクラウドファンディングを開設。しかも、Jリーガーの肩書きが取れたいち個人として、今回初めてクラファンの申請をしたという。果たして、引退直後の増嶋さんを突き動かしたものは何だったのだろうか?

「引退後、自分は何ができるのか、そして何がやりたいのか。サッカー選手でない状態で、1年間考えようと思って、妻もそれに賛同してくれました。その間、何人かの仲間から『所属チームがなくなった』という連絡を受けたんですが、ほとんどの人が練習場所を探しているんですよね。僕自身は、最後は地元で終わりたかったので、いい形で引退できたと思っています。だからこそ練習場所が見つからず、公園やジムでもがき苦しむうちに心も身体も疲弊して、引退してほしくないって思ったんです」

 では、どうすればよいのか? サッカーのつながりをフル活用するうちに、決定的な情報をもたらしてくれたのが、鹿島アントラーズやガンバ大阪での育成指導の経験を持ち、今回のプロジェクトでは運営を担当している酒井幸平氏。スポーツに強いクラウドファンディングがCAMPFIREであること、そして今ならJ-GREEN堺が利用可能であること、いずれも酒井氏からの情報である。「コロナの影響で、普段なら予約が難しいJ-GREEN堺が空いていたんです」と増嶋さん。会場が決まったことで、プロジェクトは一気に加速していく。

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