0‐7の処方箋(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

ヴァンくん&フォーレちゃんと一緒だからできること ヴァンフォーレ甲府、グッズ担当の仕事術<1/2>

 今週はJ2のヴァンフォーレ甲府で、グッズ担当と「ヴァンくん&フォーレちゃんのお世話係」を兼任する、山地渚さんにご登場いただく。山地さんといえば、昨年の「Jリーグマスコットを語り尽くす!」にも登壇者としてお招きしているので、ご記憶の方もいらっしゃるだろう(参照)。今回はホーム開幕戦を翌日に控えた、お忙しいさなかにインタビューをさせていただいた。

 せっかくなので今回は、山地さんのパーソナリティとマスコット愛、そしてグッズの商品開発にかける思いがつまった4分弱の動画をアップしてみた。ぜひ、ご覧いただきたい。

 山地さんは山梨県大月市出身。筑波大学卒業後、2012年にヴァンフォーレ甲府に入社し、6年間のチケット担当を経て18年からグッズ担当となった。ちなみに彼女の前任者は「ヴァンくん&フォーレちゃんの飼い主」としても有名な井尻真理子さん。井尻さんは、甲府サポはもちろん、マスコット好きの他サポにも有名な方で、山地さんも就任当初はかなりのプレッシャーを感じたのだそうだ。

 今回、山地さんへの取材を思い立った理由は大きくふたつ。まず、グッズ担当として、独自のアカウントから積極的に情報発信をしていること。そして、甲府のグッズ担当が、マスコット担当を兼任するメリットを探りたかったこと。スポンサー収入や入場料収入ほどではないにせよ、物販収入はクラブを支える重要な柱のひとつ。しかしながら、当事者の言葉を聞く機会というものは、極めて限られている。

 今回のインタビューは、Jクラブのグッズ開発の最前線からの証言である。甲府サポーターのみならず、ヴァンくんとフォーレちゃんが大好きなマスコットファン、さらにはJクラブで働きたい若者(特に女性)にも参考になりそうなお話を引き出すことができた。最後までお読みいただければ幸いである。(取材日:2021年3月12日@山梨県甲府市)

<1/2>目次

*なぜJクラブのグッズ担当は発信するようになったのか?

*伝説のグッス&マスコット担当の後任というプレッシャー

*意識しているのは「日常でも使えるものを増やしたい」

なぜJクラブのグッズ担当は発信するようになったのか?

──明日、いよいよホーム開幕戦を迎えるんですが、まずグッズ担当としての意気込みを教えていただけますでしょうか?

山地 実は今季から、グッズ販売の運用が大きく変わったんです。今までは業務委託で、スポンサー様に販売をお願いしていたんですね。備品の運搬や在庫の管理なんかもお願いしていたんですが、その契約が終了となったので、明日のホーム開幕からは初めての直販ということになります。

 つまり今季からは、クラブスタッフとアルバイトだけで回していかないといけないんですよ。初めてのことなので、ワクワク感もありつつ、正直不安なところもありますね。ですが、お客様になるべくたくさんの商品を見ていただき、手に取っていただけるようレイアウトや導線を考えています。いい販売ができるように頑張ります!

──頑張ってください! ところで、昨年はコロナ禍による自粛で、グッズ販売も思い通りにいかない日々が続いたかと思います。そんな中、ツエーゲン金沢の中野(由茉)さん、アルビレックス新潟の塚野(麻美)さんと3人でグッズ担当女子会をされていましたね。けっこう反響はありましたか?

山地 ありましたね。まさに自粛期間中で何もできないときに、金沢さんからの提案で実現したんです。金沢さん、新潟さんとは地理的に近いこともあって、よく連絡をとったり相談に乗っていただいたりしていたんです。ですから「ぜひ!」ということで。

──中野さんは「グッズ担当の女」として有名じゃないですか。グッズ担当が自ら発信する先駆者だと思うんですが、何かアドバイスをもらったりするんでしょうか?

山地 中野さんの場合、何を聞いても「うーん、感覚かなあ」みたいな感じなんですよね(笑)。それが彼女の特長なんだと思います。もちろん、いろいろリサーチはしているんでしょうけど、最後は「これがいい!」という感覚を大事にしていると思います。こだわりも大切ですが、一方で割り切りみたいなものが求められる仕事なんだと思います。

──新潟の塚野さんはいかがですか?

山地 塚野さんは、規模感がぜんぜん違うクラブのグッズ担当ですから、売り方や見せ方の戦略的なところは勉強になりますね。新潟さんの新商品なんかを見ていても、いろいろアイデア面で勉強になります。

──なるほど。さて、中野さんが先鞭をつけたグッズ担当独自のSNS発信ですが、甲府でも去年の5月からTwitterでグッズの独自アカウントを始められていますよね。反響はいかがでしょうか?

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