宇都宮徹壱ウェブマガジン

取材先の「ご当地グルメ」にラーメンはありか? 「47都道府県のフットボールがある風景」より

 3月から再開した「白地図を塗りつぶす」旅は、4月に入っていよいよ佳境。先週は群馬県を訪れてきた。残念ながら日程の都合上、ザスパクサツ群馬のホームゲームは取材できなかった(正田醤油スタジアム群馬の外観のみ撮影)。それでも関東リーグが開幕したタイミングだったので、tonan前橋とザスパ草津チャレンジャーズのホームゲームを取材。どちらも群馬らしい「フットボールのある風景」を撮影できて、大変満足している。これで白地図の塗り残しは、ついに栃木県のみとなった。

 今週も、現在準備中の写真集『47都道府県のフットボールがある風景』(仮)に掲載予定のコラムをWM会員に先行してお届けする。本書では47都道府県の紹介とは別に「旅とフットボール」というテーマで5本のコラムを書くことになっている。ここまで「移動」「スタジアム」「サポーター」について書いてきたが、今回のテーマは「ご当地グルメ」。ただし、旅と食の思い出をつらつら語るつもりはない。本稿では、ずっと私の中でくすぶり続けていた「ご当地グルメにラーメンを含めるかどうか問題」について考察したい。

 noteに掲載している写真集のエスキース版『フットボールの白地図』では、最後に必ず現地で最も印象に残った食べ物を紹介している。鉄板のご当地グルメもあれば、たまたま入った店で美味しかったメニューを紹介することもある。フットボールの試合がそうであるように、その前後で口にした食事もまた、旅の記憶と分ちがたく結び付いている。そうした食の記憶を、スマートフォンの画像データから引っ張り出して並べていると、ラーメン比率が圧倒的に多いことに気づいた。

 noteの「ご当地グルメ」写真に、どれだけラーメンが含まれているのか、まだ掲載していない分も含めて確認してみた。47都道府県でラーメンが登場するのは、何と10回。かなりの頻度であると言えよう。そこで浮上してくるのが「ご当地グルメにラーメンを含めるかどうか問題」。たとえば秋田県といえば、きりたんぽ鍋や稲庭うどんや比内地鶏といった、名物や名産品には事欠かない。ところが私が選んだのは、こちらのラーメン。このチョイスに、気を悪くする秋田の人もいるかもしれない。

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