スポーツの「新しい何か」に出会える場所 「中の人」が語るnoteの可能性<1/2>
いきなりだが、皆さんはnoteを活用されているのだろうか? わりと頻繁に活用している人、アカウントは持っているけれども活用していない人、アカウントは持っていないけれどSNS経由でnoteの記事はよく読む人、いずれにも有益なインタビューをお届けする。
先に私自身の話をすると、noteがスタートした時点でアカウントを取得して、しばらくそのまま放置していた。それが2019年になって、OWL magazineで執筆するようになったのを機に、定期的なアウトプットの場となっていく。現在、追い込み作業のただ中にある写真集『蹴日本紀行 47都道府県のフットボールがある風景』も、noteが極めて重要な役割を果たしてきた。
まず「フットボールの白地図」として、定期的にアウトプットをすることで執筆のペースを持続できた。読者の反応を測定しながら、書籍としての方向性を修正することもできた。加えて今回は写真集ということで、写真とテキストとのバランスを確認する上でも、noteというプラットフォームは大変使い勝手が良かった。来月に無事写真集が発売された時にも、noteのフォロワーには「お、本になるんだ!」と認識されることだろう。
一方で最近は、サッカー界隈でもnoteを活用する個人や組織が、格段に増えたように感じる。これは明らかに、昨年から続くコロナ禍の影響である。試合ができない選手や指導者は、これまで以上にメディアを経由しない発信力の必要性を感じるようになっていった。またJクラブやハーフウェイクラブも、ファンやサポーターとのリアルな接点が持てないことを受けて、公式サイトとは別にnoteでの発信に力を入れるようになった。
なぜ、noteはこれほどまでに活用されているのか? そして当のnote株式会社は、この状況をどのように捉え、サッカーを含めたスポーツ界に対して、今後どのような戦略を考えているのだろうか? そこで今回、noteのスポーツ全般を取り仕切る、ディレクターの藤里純さんにお話を伺うことにした。noteのヘビーユーザーも、これからnoteをやってみようと考えている人も、ぜひ!(取材日:2021年6月4日@東京)
<1/2>目次
*たったひとりのスポーツ担当が150人に対応
*コロナ禍で急激にサッカー界に浸透したnote
*noteを積極的に活用した最初のJクラブとは?
■たったひとりのスポーツ担当が150人に対応
──今日はよろしくお願いします。まず、藤里さんの経歴を教えていただけますか?
藤里 私は大学を卒業後、インターナショナルスポーツマーケティングという会社に入社しました。この会社は公式サイトの運用など、所謂スポーツのIT的な部分を扱う会社です。ゴルフのメディアを担当していて、大学生時代のインターンも含めると5年近くお世話になりました。その後に半年間、eスポーツのイベント会社に就職していましたが、その時にnote株式会社の求人を見つけて応募しました。
──1992年生まれということですが、20代でいきなりnoteのスポーツ部門を任せてもらっているというのは、純粋にすごいなと思います。
藤里 当時のnoteはさまざまなカテゴリの創作を盛り上げるために、その領域に知見があり、カテゴリを任せられるディレクターを探していました。そのひとつがスポーツだったので、私の経験とニーズが合致したのかなと思います。note社は20代のメンバーも多いので特別なことではありませんが、ありがたいと思っています。
──現在の藤里さんのお仕事を具体的に教えていただけますか?
藤里 note株式会社では、noteを書かれている方みなさんを「クリエイター」とお呼びしています。noteでスポーツに関する創作・発信をしているクリエイターのサポートが、私の一番大きな仕事です。「こういう使い方をしたいんだけど、どうやったらできる?」といったような機能的な部分や「何を書けばいいかわからない」といった悩みまで全てをサポートします。
──実は私も個人的に、藤里さんにいろいろアドバイスを求めることがあります。いつも即レスで大変助かっているんですが、それをいろんな方々に対応しているのは、本当に頭が下がります。スポーツに関するクリエイターのサポートは、藤里さんがひとりで行っているのですか?
藤里 ひとりでやっています。正直、すべてのクリエイターさんに対応できているわけではないですが、この1年半でお話をさせていただいたクリエイターさんは、人数でいうと150人くらいになりますかね。
──150人ですか! すごいですね。一口でクリエイターとっても、私のような書き手もいれば、アスリート本人の場合ももちろんありますよね?
藤里 そうですね。アスリートの方、チームさん、団体さん、ファンの方、一般の方で記事を書いている方など、本当にさまざまです。私のような存在がいるということが知られてない部分もあるので、気になるクリエイターさんにTwitterのDMやメールでメッセージを送ったりしています。
──なるほど。ほかにどんなお仕事をされているんでしょうか?
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