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なぜ浦和レッズのショルツは日本に入国できていないのか? 行政書士が指摘する「五輪優先」と水際での不備<1/2>

 東京五輪の開催に伴い、中断期間に入るJリーグ。ほぼ同じタイミングで、今年は7月16日から夏の移籍ウィンドウが開く(期間は8月13日まで)。そんな中、気になるニュースが立て続けに報じられた。まず6月30日のスポーツ報知によるJリーグ 夏の外国人補強が原則NGに 五輪と無関係の選手の査証発給が困難に」。そして7月6日のスポニチによるJリーグ新規外国人の入国緩和 東京五輪後の特例入国で調整へ」である。

 このニュースに気を揉んでいるのが、アレクサンダー・ショルツの合流を待ち望んでいる、浦和レッズのサポーターだろう。このデンマーク人DFの完全移籍が、公式に発表されたのが5月31日(参照)。それから1カ月以上が経過したのに、いまだに入国できていない。そんな中でのこれらの報道に、浦和以外のサポーターも「夏のウィンドウはどうなるんだ?」と心配していることだろう。

 そこで今週は、この問題に詳しい専門家の方に、急きょお話を伺うことになった。行政書士の長友耕一さんは、外国人アスリートの入国に必要なビザの発給や更新業務のエキスパート。長友さんの存在は、大島和人さんのこちらの記事で何となく視界に入っていた。たまたまSNSでつながったのがきっかけで、取材を申し込んだところ快く受けていただけることとなった。

 長友さんへのインタビューからわかったのは、コロナ禍と東京五輪開催によって、従来の入国審査の基準がかなりイレギュラーになっていたという事実である。前者については仕方ないと思うものの、後者に関しては「けっこういい加減」というのが私の印象。最近、ニュースで話題になっている政府の水際対策についても、驚くべき証言を得ることとなった。なお、本稿の最後にはショルツの入国に関して、長友さんの「見解」をそのまま掲載した。特に浦和サポには、必読の内容となっている。(取材日:2021年7月9日@東京)

<1/2>目次

*「公益性」を謳うJリーグの外国人選手が入国できない理由

*本大会に出場しなくても親善試合の対戦相手は「五輪関係者」

*五輪関係以外での外国人アスリートが確実に来日できる方法

「公益性」を謳うJリーグの外国人選手が入国できない理由

──今日はよろしくお願いします。長友さんは2008年から行政書士の事務所を開業されて、現在は海外から来日した外国人、とりわけプロスポーツのアスリートのビザ発給や更新に関する業務をされていると。こういう理解で、間違いないでしょうか?

長友 基本的にはそうですね。ただし私の場合、プロスポーツというのはBリーグの仕事がほとんどでして、だいたい20クラブくらい申請業務や相談のご依頼をいただいております。私自身、バスケの愛好家でしたし、プロ化する前の実業団時代からのファンでもあったので、自然とそうなりましたね。それと選手本人のビザもそうですが、ご家族の方が来日する場合の手続きですとか、帰化申請の業務なども担当させていただいております。

──Jリーグとはお仕事をされていますでしょうか?

長友 ないですね、残念ながら。ご依頼がありましたら、もちろんお役立ちしたいと思っているんですが(苦笑)。

──WMでもぜひプッシュしたいと思います(笑)。ということで、今日のお話はBリーグでのお仕事で知り得た情報が多くなるとは思いますが、Jリーグにも十分に通じる話かと思いますので、よろしくお願いします。まずは外国人の日本入国に関して、基本的なところから確認したいと思います。五輪関係者を別とすれば、海外からの入国は原則禁止なんでしょうか?

長友 新規での入国は原則禁止です。対象は159の国と地域ですね。実は昨年の11月1日に、一時的に新規入国が開放されたんですよ。ところが今年に入ってコロナが感染拡大したため、1月20日をもって再び新規入国が禁止になっています。ただし例外が何点かあって、スポーツ選手の場合「公益性がある場合」のみ、入国は認められています。

──「公益性」というものは、具体的にどういったものでしょうか?

長友 これについては政府、部署でいうとスポーツ庁の裁量ですね。《個別事案ごとに、事業の所轄省庁の責任の下、関係省庁との協議を経た上でその有無を判断》とされておりまして、何かしらの条件を満たせば認められる、というものではないんです。

──胸下三寸というか、玉虫色というか、何とも釈然としない話ですね(苦笑)。Jリーグに関しては当初、新規に入団する外国人選手や監督が、なかなか入国できないという状況が続きました。ようやく3月下旬になって「Jリーグバブル」という方式で入国が認められたわけですが、日頃から公益性を謳っているJリーグはなぜ認められなかったのでしょう?

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