宇都宮徹壱ウェブマガジン

宣言明けのビジター席に「ファン」は戻ってくるのか? 観客数の上限緩和が期待されるJリーグに危惧すること

 本題に入る前に、新著『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』関連の告知を2つさせていただきたい。

 まず重版を記念して、本書に掲載された写真作品の一部を、徹壱堂にてダウンロード販売することとなった(9月30日21時開始予定)。今回は47都道府県のうち、18道府県の写真をピックアップ。サイン入りで20点ずつ販売する。出力して額装するもよし、待受画面にするもよし。今後は反応を見ながら、他の都県のラインナップを増やしていきたい。なお写真販売の収益は、今後の取材費用に充てさせていただく予定だ。

 それから10月9日と10日、かなっくホールで開催されるヨコハマ・フットボール映画祭2021にて、徹壱堂を出店させていただくことと相成った。私は両日とも、会場に詰めている予定。書籍をお買い上げいただいた方には、その場でサインさせていただくので、映画祭にいらした方はぜひ立ち寄っていただければ幸いである(すでにお買い上げの書籍についても、持参していただければ喜んでサインします)。

 ここから本題。今回は「緊急事態宣言解除後のJリーグ」について考えてみたいと思う。まさに本稿を執筆している28日19時に、政府は19の都道府県への緊急事態宣言、そして8つの県へのまん延防止措置を30日で一律解除することを発表した。日本全国で宣言も措置もない状態というのは、およそ半年ぶりということになる。

 これに先立つ22日、時事通信で気になる報道があった(参照)。ポイントとなる部分を引用する。

 Jリーグが10月30日のYBCルヴァン・カップ決勝(埼玉スタジアム)など複数の公式戦で、試験的に入場制限数を超す観客動員を検討していることが21日、複数の関係者の話で分かった。新型コロナウイルスのワクチンを2回接種済みか、検査陰性のいずれかを示す証明書があれば緩和の対象とする「ワクチン・検査パッケージ」という仕組みを活用する。

 政府の宣言解除とワクチン接種率の上昇。これらを受けて、5000人または収容人数の50%の少ない方と定めていた対象地域での観客数の上限が、今後は緩和の方向に動くことは間違いない。来月になって、すぐさま状況が改善されることはないだろうが、それでも各クラブにとって朗報である。ここで、多くのファンにとって気になるのが「ビジター席は解放されるのか?」という問題だろう。

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