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次期チェアマンは「スーパーマン」タイプ? 歴代Jリーグトップの立ち位置から考察する

 1月31日、Jリーグの理事会で次期チェアマンに野々村芳和氏が内定した。北海道コンサドーレ札幌の社長時代における、野々村氏の見事な手腕については村上アシシさんのこちらのコラムが最も詳しいので、ご参照いただければと思う。本稿では次期チェアマン内定に際して、歴史を俯瞰しながらの考察を試みたい。

 野々村氏の新チェアマン内定については、以前から報道があったので、それほどの感慨はない。今後のメディアの取り上げられ方としては、まず「歴代初の元Jリーガー」であること(村井満チェアマンは「30周年に相応しい人選」と太鼓判を押していた)。そして「歴代最年少」というところが挙げられよう。野々村氏は1972年(昭和47年)5月8日生まれなので、現在49歳。40代でのチェアマン就任は、歴代初である。

 ここで過去の歴代チェアマンが、就任した時の年齢を見ておこう(カッコ内は就任年)。初代の川淵三郎氏は54歳(1991年)、第2代の鈴木昌氏は64歳(2002年)、第3代の鬼武健二氏は67歳(2006年)、第4代の大東和美氏が61歳(2010年)、そして第5代の村井氏が54歳(2014年)。川淵氏と村井氏以外は、いずれも60代での就任であった。

 もうひとつ注目したいのが、歴代チェアマンの生年だ。川淵氏が1936年(昭和11年)、鈴木氏が1935年(昭和10年)、鬼武氏が1939年(昭和14年)、大東和美氏が1948年(昭和23年)、そして村井氏が1959年(昭和34年)。初の戦後生まれチェアマンが、実は大東氏だったことは意外と知られていない。そして50年代生まれの村井氏から、一気に60年代をすっ飛ばして70年代生まれのチェアマンが誕生する──。60年代生まれの私は、むしろこちらのほうに深い感慨を覚えてしまった。

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