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【無料公開】宮崎で復活に賭ける男と宮崎でチャンスをつかんだ男(2022年3月26日@ギオンス)

日本代表のワールドカップ出場が決まった直後の週末、相模原ギオンススタジアムで行われたSC相模原vsテゲバジャーロ宮崎を取材した。お目当てはどちらかというと宮崎。九州リーグ時代とJFL時代は見ているが、J3となってから取材するのは今回が初めてであった。

風上に立つチームがハーフコートゲームを展開する、非常にわかりやすい試合を制したのは相模原だった。どちらかといえば、前半のほうが風の影響を受けやすく、一方的に攻め込んでいた宮崎もボールコントロールに苦しんでいた。あくまで結果論だが、宮崎が前半に風下を選んでいたら、違った結果もあり得たかもしれない。

先制ゴールを決めた工藤は、柏レイソルでブレイクして日本代表に選出されたのち、バンクーバー・ホワイトキャップス(CAN)、サンフレッチェ広島、レノファ山口FC(レンタル)、ブリスベン・ロアーFC(AUS)でプレー。3年ぶりに帰国した今年、宮崎での復活に賭ける。31歳という年齢を考えれば、これからの捲土重来は十分に期待できそうだ。

一方、この日2ゴールを挙げた藤沼は、やはり今季から加入の24歳。大宮アルディージャのユース出身で、J3クラブでの武者修行を積んだものの、大宮ではリーグ戦での出場機会がないまま昨年末に契約満了となっていた。そして今年、宮崎県で開催されたトライアウト型キャンプ「#Reback2022」に参加。相模原の一員に迎えられ、移籍後初出場で初ゴールを挙げた。

宮崎で復活に賭ける男、そして宮崎でチャンスをつかんだ男──。宮崎といえば「パワースポットが多い」ことを観光アピールとしているが、この日のギオンスでの試合を見ていると、あながち間違っていないようにも感じられた。

<この稿、了>

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