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【座談会】11年ぶりの「信州ダービー」をどう迎えるべきか 「Jリーグの日」の注目の一戦を当事者目線で語る<2/2>

【座談会】11年ぶりの「信州ダービー」をどう迎えるべきか  「Jリーグの日」の注目の一戦を当事者目線で語る<1/2>

<2/2>目次

*当事者は覚めている? 11年ぶりの信州ダービー

*「けっこう仲が良かった」パルセイロと山雅の選手

*それぞれにとっての「信州ダービー」とスコア予想

当事者は覚めている? 11年ぶりの信州ダービー

──ここから「信州ダービーを次世代にどう伝えていくか」というテーマについて語り合っていきたいと思います。まずはシンさんに伺いたいのですが、山雅のゴール裏も2012年の「Jリーグ以降」しか知らない世代が多数派となっているのでしょうか?

澄山 割合としては、間違いなくそうですよね。それこそ『クラシコ』の時代から、ゴール裏で今も応援している古株のサポーターもいますが、彼らが「信州ダービーとはなんぞや」みたいな話をしているという話も聞いたこともないです。どちらかというと、みんな「未来志向」だと思うので。

──かつてのような「絶対に負けるな!」という感覚ではない?

澄山 それはないかなって気がします。古参サポがそれを言ったとしても、今の若い人たちは「えっ?」って引くんじゃないですかね。

土橋 パルセイロ側も、そんな感じだと思います。まさに今日、信州ダービーの件で地元のTV局に行ったんです。たまたま知り合いと話していたら、その人はパルセイロのことは知っていても、信州ダービーのことは初耳だったみたいで「へえ、そうなんだ!」って感じだったんですよね。それくらい、信州ダービーそのものが風化してしまっている。信州のサッカーを盛り上げたい自分としては、松本と長野による「絶対に負けられない一戦」というものを、しっかり伝えていきたいところですね。

──樋本さん、最近の状況を聞いていかがですか?

樋本 ある意味、山雅もパルセロナも安定してきたのかなって気がしますよね。さっきも言いましたけれど、映画が撮影された2009年は「昇格できなかったらチームがなくなる」とか「スタジアムが取られるかもしれない」みたいな話がリアルにありましたから。今では考えられないくらい、ピリピリした感じがあったからこそ、ダービーではあれだけ盛り上がったんだと思います。

澄山 一方でサッカー以外では、そんなに張り合う必要もないのかなって気はします。松本も長野も、視線の先には東京があるんですよね。県内で競い合わない方向に進んでいるのかなって感じはあるので、以前のような対立構造というものは成り立ちにくいのかなって気もしています。

──実は先日、Jリーグの広報の方に頼まれて、わが家にあった『クラシコ』のDVDを貸したんですよ。信州ダービーで、何か仕掛けようと思っているみたいで、参考にしたかったようです。そういった思惑が周囲にある一方で、肝心の当事者が若干覚めてしまっているのでは、ちょっともったいない話ですよね。

澄山 その話につながるか、ちょっとわからないんですけど、信州ダービーについて初めてきちんと書いてくれたのって、おそらくエル・ゴラッソだと思います。2006年とか07年くらいの話で、ローカルメディアでも取り上げられていなかった頃、今は水戸の番記者をやられている佐藤拓也さんがけっこう詳しく書いてくれていたんですよ。一生懸命応援している僕らからすれば、専門誌で書いている人たちにも届いているということが、すごく嬉しかったし励みにもなりましたね。

──それから2~3年後には、今度は映画にしようという人たちが出てくるわけですからね(笑)。信州ダービーについては昔から、県外のメディアのほうが注目していたと言えるのかもしれません。土橋さんは現在、メディアを通して地元のサッカーの魅力を発信しているわけですが、山雅とパルセイロの扱いについては気遣いみたいなものってあるんでしょうか?

土橋 それはありますね。去年までだったらカテゴリーが違っていたので、長野市のメディアでも山雅を扱うのはOKだったんです。でも、今年はカテゴリーが同じになったので、お互いにバランスを考えるようになりました。そんな中、僕みたいな立場の人間は丁度いい存在なんだと思います(笑)。

樋本 そういえば『クラシコ』を撮っていた時も、山雅とパルセイロの尺を「秒単位まで同じにしたほうがいい」という方もけっこういらっしゃいましたね(笑)。

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