宇都宮徹壱ウェブマガジン

町田vs長崎で蘇った「石垣島決戦」の記憶 あらためて考えるハーフウェイ取材の面白さ

 久しぶりに取材現場で考えたことをコラムにすることとしたい。

 先週の日曜日は野津田(町田GIONスタジアム)へ。J2リーグ第27節、FC町田ゼルビア対V・ファーレン長崎を取材した。今季のJ2は、アルビレックス新潟、横浜FC、ベガルタ仙台がやや抜けているが、町田と長崎もそれぞれ7位と6位。プレーオフはもちろん、さらなる上の順位を狙える順位にいる。

 先制したのは長崎。9分、CKからエジガル・ジュニオが頭で決める。しかし町田も47分、相手のクリアボールを太田修介が右足を振り切って同点に。そのまま11の状態が続いたが、89分に長崎が勝ち越し。鍬先祐弥が左サイドから放ったクロス気味のボールが、そのままゴールマウスに吸い込まれてネットを揺らす。結果、長崎が21で勝利し、敵地で貴重な勝ち点3を手にすることとなった。

 それにしてもなぜ、私はこの試合をチョイスしたのか。このところ町田のホームゲームにご無沙汰していること、最近の長崎もリアルで見る機会がなかったこと(ブラジル人トリオの揃い踏みには感動した)、といった理由も確かにある。だが、それ以上に「町田vs長崎」という顔合わせに、個人的に響くものがあった。WM会員の方なら、もうご理解いただけるだろう。今から14年前、沖縄で行われた地域リーグ決勝大会の決勝ラウンドで、両者はJFL昇格を果たしている。

 2008年の地域決勝の決勝ラウンドが行われたのは、沖縄県は石垣島のサッカーパークあかんま。この決戦の地にたどり着いたのは、町田と長崎、そしてホンダロックSCとレノファ山口FCであった。ホンダロックは3シーズンぶりのJFL復帰を目指しており、山口は中国リーグ初優勝で地域決勝も初出場。この大会での昇格枠は3だった。

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