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日本人選手とアジアをつなぐ日本人エージェントに聞く。2019年、約40名の日本人がプレーするタイリーグ市場の最新事情【エージェント・真野浩一氏インタビュー<1/2>】(無料記事)

タイを拠点に活動する日本人エージェントの真野浩一氏(写真提供:真野浩一)

この10年で、アジアのリーグでプレーする日本人選手は急増した。Jリーグの誕生以降、日本人選手の欧州移籍が加速していったが、その現象を日本サッカー躍進の「おもて面」だとすれば、アジアでプレーする日本人選手の増加はその「裏面」とも言える。6大会連続のワールドカップ出場、アジアカップ最多4度の優勝という実績を積み上げてきたことで、アジアの国々において「日本はアジアのトップ」という認識が定着。結果、その日本からやってきた選手たちにも付加価値が付き、日本人選手の「アジアの職場」は自ずと増えることとなったからだ。

日本人選手のアジア進出において、本格的な火付け役を担ったのがタイリーグだった。2010年代に入ってタイでプレーする日本人選手は急増し、2014年には岩政大樹、茂庭照幸、カレン・ロバートといった日本での知名度や実績のある多くの選手たちがタイリーグに参戦。それを機に「タイリーグには多くの日本人選手がいる」という事実が日本でもある程度認知されるようになった。

だが、そのピークを迎えた2015年以降、タイリーグでプレーする日本人選手の数はやや減少傾向にある。実際、日本人選手は今、タイでどう評価されているのか。そして、1部リーグ(T1)から4部リーグ(T4)まである現在のタイリーグにおいて、それぞれのカテゴリーで日本人選手たちはどういった待遇で戦っているのか。今回はタイリーグマーケットの「今」について、2013年からタイを拠点にエージェントとして活動している真野浩一氏に話を聞いた。

<目次>
◎タイの移籍市場で日本人が韓国人に押されているのはなぜ?
◎タイリーグで戦う日本人選手たちのサラリー事情
◎タイ人選手のJリーグ移籍、今後はどうなる?

タイの移籍市場で日本人が韓国人に押されているのはなぜ?

──2014年から2015年頃をピークに、タイでプレーする日本人選手は減少傾向にあります。現状、タイリーグにおける日本人選手の評価はどんなものなんでしょう?

真野 2014年に岩政選手、茂庭選手、カレン・ロバート選手といった実績のあるプレーヤーがタイリーグにやってきたことによって日本での知名度も一気に高まって、翌年の2015年には68名もの日本人選手がタイでプレーしていました。それが2018年シーズンは35名ほどでしたから、人数的にはかなり減ったのは確かです。要因としてはまず、2014年当時は「7」だったタイリーグの外国人枠が今は「3」+「アジア枠1」+「アセアン枠(今季から無制限で登録可能)」と変更されたことが挙げられます。それから近年は韓国人であったりイラン人であったり、質のいいアジアの選手たちがタイにやってくるようになってアジア枠の競争が激しくなったことも一因となっています。

──相対的に日本人選手の評価が下がっているような状況なのでしょうか。

真野 タイのクラブ側の需要は変わっていなくて、今もほとんどのクラブは「日本人選手を優先的に獲りたい」とは言ってくれるんです。ただ、それがハマらない状況が生まれてしまっている。日本人選手はほしいけれど、韓国人選手やイラン人選手のほうがプロフィールの質が高いので彼らを獲らざるを得ない状況になっています。

──タイリーグのクラブとして「日本人を優先的に獲りたい」というのは、日本人選手のどういった点が評価されているのですか?

真野 やっぱり日本人選手は、性格的な部分も含めて一番フィットしやすいというのがあるんだと思います。

──それでも結果的に、韓国人選手やイラン人選手との競争に敗れてしまっているのですね。

真野 韓国人選手なんかはA代表やU-23の代表歴があるような選手たちがアジアでチームを探しているので、そういったキャリアの選手たちとの比較となるとどうしても厳しくなってしまう。あとは、もうひとつ日本人選手がハマりにくい理由としては、移籍時期の問題があります。タイリーグのチームが選手のリクエストを出してくるのはだいたい9月から10月がピークなんですが、日本ではチームから選手に(翌シーズンの契約に関しての)通達が出されるのは10月下旬から11月上旬が多い。そのため、日本人選手が正式に答えを出せるのは11月になってからで、その時点ではもういい枠は埋まってしまっていることが多いんです。韓国やイランの選手たちはよりシビアに金銭的な面だけにフォーカスする傾向があって、条件がよければ今のクラブとの契約更新よりもアジアに出てくることを優先的に考えているので、タイ側のリクエストに応えられるという面があります。

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