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2大会連続のW杯アジア最終予選進出を目指すタイ代表。「チャナティップ不在時」の課題は解消されず【キングスカップ2019レビュー】

9月スタートのW杯2次予選へ、不安の残る結果

9月にスタートするカタールW杯アジア2次予選を3カ月後に控えるタイ代表は、6月5日と8日の2日間、タイのブリーラム県を舞台に国際大会「キングスカップ」を戦った。結果は東南アジアのライバルであるベトナム、今年のアジアカップで1対4と大敗を喫した因縁の相手インドを相手にホームで連敗。2大会連続のW杯アジア最終予選進出を見据えるタイにとっては不安の残る結果となった。キングスカップ2試合の戦いを振り返りながら、タイ代表の現状をレポートする。

◎キングスカップ2019/準決勝
(2019年6月5日@チャ―ンアリーナ/タイ・ブリーラム)

<試合結果>
タイ0-1ベトナム
前半:0-0
後半:0-1
得点者:[ベトナム]グエン・アイン・ドゥック90+4分

<タイ代表スタメン>

東南アジアの頂上決戦は持ち味がぶつかり合う展開に

今大会、タイはJリーグ組を含む海外組をすべて招集する予定だったが、直前にチャナティップ・ソングラシンが負傷のため選外に。ベルギー2部でプレーする守護神のカウィン・タマサッチャナンも久々に招集され、ベストメンバーでの戦いとなることが期待されただけに、大黒柱の離脱は残念だった(タイ代表メンバーはこちら)。チャナティップを欠く際には小さくない戦力ダウンが否めないタイ代表だけに、逆に言えばこのキングスカップは本番を前に「チャナティップ不在時」という課題に向き合う機会ともなった。

初戦の相手はベトナム。昨年のAFFスズキカップ(東南アジア選手権)を制し、今年のアジアカップでもベスト8まで進んだ上昇気流に乗るチーム。現在、タイとベトナムは東南アジアをリードする存在と言えるが、東南アジア王者を決めるスズキカップでは海外組の招集が難しいため、実は両国のA代表がベストメンバーで対戦する機会は少ない。それぞれが本格的に台頭して以降ではこれが初の対戦となり、東南アジアの新時代を象徴する戦いとしても注目の一戦となった。

タイは代表キャップ100を目前にしているエースのティーラシン・デーンダーをベンチに置き、前線にはそれぞれ20歳と21歳の若いブリーラム・ユナイテッドのコンビ、スパチャイ・ジャイデッドとスパチョーク・サラチャートを起用。チャナティップがいないため、ティティパン・プアンチャンを高めの位置に配する布陣でスタートした。

試合はホームのタイが得意のボール回しで高いポゼッションを保ちながら攻めるも、ベトナムも持ち前の厳しいプレスでタイを自由にさせない。後半、サーラット・ユーイェンに代えて昨年のタイリーグMVPであるスマンヤー・プリサーイが投入されるとタイの攻撃はさらに活性化されたが、ベトナムの粘り強い守備の前に最後までゴールを割ることはできなかった。反対に後半アディショナルタイムには、コーナーキックをベトナム代表のベテランFWグエン・アイン・ドゥックに決められてタイは初戦を落とした。

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