フットボール タイランド

W杯アジア2次予選初戦、ベトナム戦前日会見。タイ代表・西野監督は何を語ったか?

西野監督とキャプテンに任命されたシワラック ©FOOTBALL THAILAND

カタールW杯アジア2次予選、初戦のベトナム戦に臨むタイ代表。4日、試合前日会見にはタイ代表監督としての初陣となる西野朗監督と、キャプテンに任命されたGKシワラック・テースーンヌーンが出席した。東南アジア最大のライバルであるベトナムといきなりの激突となる大一番を前に、西野監督は何を語ったのか。解説を交えて全コメントを掲載する。

「ポテンシャルは想像以上、ただ経験が本当に足りないなと」

西野監督は就任後即、7月21日に現地入りして国内リーグの視察や各クラブへの訪問などを精力的にこなしてきた。だが、代表チームとしての活動は候補選手33名を招集してトレーニングを約1週間行ったのみで強化試合はなし。タイのクラブとの非公開トレーニングマッチは行ったが国内組のみで、チャナティップ、ティーラトン、ティティパンのJリーグ勢ら海外組の4選手は試合3日前の合流だった。ほぼ「ぶっつけ本番」と言っていい状況で、まずは初戦を翌日に控えての思いが語られた。

西野 タイ代表監督として最初のゲームになりますが、まず自分を招聘していただいたことに対して大変感謝しております。限られた準備期間ですけども、全力を尽くしてタイのために戦いたいと思います。

この前日会見、西野監督の横に座ったのがキャプテンに任命された34歳のGKシワラック。これまで、代表でキャプテンを務めることはなかった選手であるため、タイメディアからキャプテンに任命した理由を問う質問が出された。

西野 幸いなことに、FIFAデーだけでなく代表チームは1週間準備をすることができました。そのなかでチーム最年長である、キャリアの長いチャンプ(シワラックのニックネーム。タイでは通常、ニックネームが使われる)に(キャプテンを)お願いしています。キャプテンとしてこうして隣に座ってもらっているのも、おそらく初めての経験になると思います。

続いて、タイの日本語メディアから現状の手ごたえと、チームと寝食をともにしてみて感じたことなどについての質問が出る。

西野 まず、一人ひとり非常にポテンシャルを、想像以上に持っているなという気がしました。当初33人の候補を選びましたけども、若い選手の中にも可能性がある選手がたくさんいるということに気がつきました。ただ、やっぱり経験がないなと。アジアとか世界とかを見据えたなかで、まだまだそういう中でやってはいないなと。経験が本当に足りないなという気はしましたけども、一人ひとりの力というのは非常に可能性を感じました。

文化的なものなのか、たぶんサッカー界だけではないと思いますが、先輩を敬うというか、非常にリスペクトしながらやっている。それじゃダメだよ、ということは伝えています。同じレベルで、同じ代表チームの中で選考されているわけですから、自分をどんどん出さないとチャンスはあるようでないよ、と。

少なくともA代表ではこういう状況はなくしていかなければいけないですし、今までやってきた自分の世界と比べることではないと思いますけども、やはり自分をどんどん主張していくようなプレーヤーが増えていかないといけないと思う。ちょっと自分を押し殺して先輩を、という感覚をなんとなく感じますね。

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