「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】栃木SC2016新体制発表記者会見 vol.2(全文掲載)

15日、栃木SCが2016シーズン新体制発表記者会見を開催した。

栃木フットボールマガジンでは詳報をvol.1に引き続き全文掲載で以下にお伝えする

 

写真

「かゆいところに手が届くためにも人数はそれなりに適した人数でまずはスタートを切りたい」

 

司会:それでは、ただいまより質疑応答に移りたいと思います。

  

――横山監督に伺います。昨年末の就任の会見のときには、攻守にハードワークしてアグレッシブな攻撃的なサッカーを展開したいとおっしゃっていましたが、今日の顔ぶれをみてどのような手応えを感じているか教えてください。

 

横山監督

「そうですね。まだ練習が始まっていないので何とも言えないんですが、ここにいる選手たち、残ってくれた選手たちをみるなかで、いいサッカーが展開できるんじゃないかと思っています。そういう手応えを若干ですが感じています」

 

――練習はまもなく始まりますがどういうところから着手していきたいですか。

 

横山監督

「就任会見のときも言ったんですけれど、色んなチームビルディングの仕方があると思いますが、まずは選手たちを見させてもらって、そのなかでいい戦術をとっていければいいなと思っています。僕がやりたいサッカー、色んな形のサッカーがあるんですけど、それもバランスをとりながら、まずは選手たちをみて判断したいと思っています」

 

――新加入選手の一人ひとりに伺いたいんですが、それぞれの得意なプレー、サポーターにどういうところをみてほしいか、アピールをお願いします。

 

DF山越享太郎選手

「僕は左利きなので左足を皆さんに見て欲しいです」

 

DF広瀬健太選手

「僕はビルドアップを得意としているので、後ろから組み立てて得点につなげられるようなプレーをしたいです」

 

MF山本大稀選手

「僕は運動量では誰にも負けないと思っているので、そこでチームに貢献して、あとはドリブルなどでチャンスメイク出来たらいいなと思っています」

 

MF和田達也選手

「僕はゴール前で何度も自分でチャンスをつくり、ゴールを決めるところを見てもらいたいですし、ハードワークもできるんで、そこをみてほしいです」

 

MF古波津辰希選手

「自分は大学時代から中盤での潰し屋ということで通っていたんで、それを栃木でもしっかりできるように、そしてもっと攻撃面でも成長できるようにしっかりやっていきたいと思います」

 

MF西谷和希選手

「自分はドリブルが得意なので、ドリブルからのゴール、シュート、ラストパスとかで注目してほしいです」

 

DF斉藤大介選手

「このチームでたぶん最年長になると思いますけど、自分個人のプレーというよりは、新加入選手12名、既存の選手12名、コミュニケーションをとって色んな部分で選手、スタッフの架け橋になれるようなところをできればなと思っているし、自分の役割はそういうことだと思っているので、上がるために必死にがんばりたいと思っています」

 

MF佐々木勇人選手

「アピールポイントはそんなにないので、練習や試合を見に来てもらって判断してもらえればいいなと思います」

 

FW大石治寿選手

「フォワードなのでまず点をとること。ゴール前では誰にも負けない自信を持っていますのでそこを見てもらえればいいなと思います」

 

GK川田修平選手

「僕はシュートストップや11の対応などを得意としているのでそこでチームに貢献できればいいと思います」

 

FW上形洋介選手

「自分はドリブルで何人も抜いて点を決めることはできない不器用な選手ですが、前線からハードワークして相手のディフェンダーを引きつけてスペースを作ったり、ゴール前でのシュートには自信を持っているので思い切り足を振り抜き姿勢をみてください」

 

FWジャーン・モーゼル選手

「自分のストロングポイントはパワーと空中戦のヘディング、そしてゴール前での決定的なシーンで冷静にボールを押し込めるというのが自分のアピールポイントです」

 

――選手それぞれにもう一つだけ聞きたいのですが、栃木SCに入団を決めた理由と、現段階で栃木SCにある印象があれば聞かせてください。

 

DF山越享太郎選手

「僕が栃木SCに来た理由は、一番大きいのが日光市出身ということで決めました。あと栃木SCの試合は何試合か見させてもらったんですが、ホームではサポーターの声援がすごく大きくて、このなかでプレーしたら楽しいだろうなと思ったので選びました」

 

DF広瀬健太選手

「僕は横山監督に声をかけてもらったんですが、去年は(湘南で)メンバー外になることが多くて(ヘッドコーチだった)横山監督にお世話になったので恩返しが出来たらなあと思いました」

 

MF山本大稀選手

「僕が栃木SCを選んだのは、ベテランの人たちが多いことや、少しでもレベルの高いところでプレーすることが自分の成長につながるんじゃないかと思い決めました」

 

MF和田達也選手

「僕が選んだ理由はサポーターが熱いなという印象があったし、松本から来たんですが栃木の選手たちが何人かいたということで決めました」

 

MF古波津辰希選手

「自分は去年の夏くらいに特別指定を受けていて、その時点で栃木に来たい気持ちはそこからぶれなかったので、J3に落ちてしまったんですけど、それも関係なく栃木でプレーしたいなという思いでした。そういう理由ですね」

 

MF西谷和希選手

「自分は、さっき言い忘れてしまったんですけど、栃木出身なんですけど(会場爆笑)、それでどのチームよりも栃木SCに対する気持ちが強かったので、決めました」

 

DF斉藤大介選手

「ええ、僕は35なんですけど、契約満了になった自分を必要としてくれて、いまのJリーグはどうしても年齢で判断されがちなんですが、自分の年齢でも必要としてくれた栃木SCに本当に感謝したいなと思います。それが決断の理由です」

 

MF佐々木勇人選手

「熱心に声をかけてくれたチームですし、J3ですけど、J3優勝という大きな目標があるので決めました」

 

FW大石治寿選手

「新里TDからすごく熱い話をいただいたことと、横山監督と少し縁がありまして、力になりたいなという思いと、J3から昇格したい、J2でプレーしたいなという思いがありまして、栃木に来ました。栃木SCの印象としては個々の能力が高くて、ハードワークできるチームだなと思っています」

 

GK川田修平選手

「僕は横山監督に大宮ユース時代にもお世話になっていて、横山監督の下、栃木をJ2に復帰させたいなと思って来ました」

 

FW上形洋介選手

「自分の特徴を理解してくれた上ですごく熱心に声をかけてくれたので、ここで勝負したいなと思ったのと、あとホームスタジアムでのサポーターの熱い応援に惹かれて栃木SCに来ました」

 

FWジャーン・モーゼル選手

「もちろんクラブ自体の施設面もありますが、チームの考え方、絶対にJ2に戻らないといけないという考え方にすごく賛同して、今年1年は数多くの勝利を得ることが出来るかなと思っています」

集合写真2 

 

――もう一点、水沼社長か新里TDに伺いたいのですが、昨シーズンのスタートよりも少数になっていますがその辺りの意図はどういうことなんでしょうか。

 

新里TD

「まず選手一人ひとりは一つのポジションをもちろん強くもっていますが、複合的に右サイドアタッカーができたり、右サイドバックができたり、あるいはセンターバックができたり、右サイドバックができたり、複合的にできる選手が多いこと。そういうポイントがあります。あとは24名よりか25名のほうがいいとか、26名より28名のほうがいいとか、もちろん人数が多いほうに越したことはないんですけど、たとえば戦術的なディテール、かゆいところに手が届くためにも人数はそれなりに適した人数でまずはスタートを切りたいなという思いますもあります。人数が多ければリスクも大きくないと言いつつも、多いからといってシーズンが始まって、一節、二節、三節となっていくなかで選手たちがポジションとしてかぶるとか、たとえば勝負事なのでチーム同士で闘ってスターティングメンバーが選ばれていく流れがあるなか、たとえば、スタメンから遠のいたりする、精神的に間延びしやすいとかがあるので、たとえば、ひとりがケガをしたら常に次のチャンスがやってくると、そういうことも含めて人数の設定は大切になるかなと思います。

バルセロナなどは19名をスタートにして、そのあとにバルサBの選手たちが何人かいて、という流れもあり、そういうことを浸透させることを意識してやっている。それを真似することはできないですけど、一つは学びのなかの部分ではあったかなと。今、選手たちのモチベーションが高いということは皆さんにお伝えしておきます。もちろん新加入選手たちもそうですし、契約を更新していただいた選手たちもモチベーションはすごく高いです。一つ一つの勝負事で自分がポジションを獲得していく、というマネジメントもすごく大切なのかなと。そこにはプラスとマイナスとありますけど、そこは僕は基本的に引き気味のタイプではないので、攻撃的に、積極的にいく考えとして24名としてやる。ということです」

 

 「栃木には4バックでやってきた歴史がある。この段階で僕が劇的に変えるのもどうか」

 

――横山監督に伺いたいんですが、キャプテンは誰になるんでしょうか。

 

横山監督

「現時点ではまだ決まっていません。新入団選手がこれだけ入るのと、私も新任になるので少しでも時間をいただいて、これから決めさせてもらえればと思っています」

 

――補強段階のある程度あったとは思うんですが、3バックか4バックか、あるいは柔軟に使い分けるのか、その辺りはどういうイメージなんでしょうか。

 

横山監督

「システムに関して言うと、どんなシステムにもメリット、デメリットがあると思いますので、どこまでやるかというのは自分でも決めていないんですけど、そのへんは柔軟に対応したいと思っています。ただ、栃木は伝統的に4-4-2というスタイルが、柱谷(幸一)さんから始まって、松田(浩)さん、阪倉(裕二)さん、倉田(安治)さんと4バックでやってきた歴史があるので、この段階で僕が劇的に変えるのもどうかなとちょっと思っています。ただ、それも選手たちの様子を見ながら決めたいなと思っています」

 

――今季のJ330試合しかないという印象なのかどうか。開幕カードと2節が決まって、鳥取と長野に決まったわけで、おそらく上位を争うチームになると思うんですが、そのへんはどういう印象を持たれているのか教えてください。

 

横山監督

「まだ自分のチームの練習も始めていないので何とも言えないんですが、ただ、鳥取というチーム、長野というチーム、それぞれ素晴らしいチームですそし、鳥取に関しては長年苦労している感じもありますが、柱谷(哲二)さんが監督になられて、選手として実績はもちろん、指導者としての実績もある方なので、間違いなく開幕までにいいチームを作られてくると思いますので、その意味ではやりがいのある、栃木SCにとってはやりがいのあるいいチームと対戦できるので、そこはワクワクしますし、プラスに考えてやっていきたいと思います」

 

――新里TDに伺いたいんですが、横山監督とは秋田時代に一緒にやられていると思いますが、改めて、監督に選任した理由を伺わせてください。

 

新里TD

「話すとね、長いんですけど()、まず一つは強化部だからといって、好きなようにわがまま、エゴな気持ちでやるという仕事ではありません。栃木SCというのは過去、ストライカーを要する、そしてバランスを整えた、スピーディな攻撃力がある。守備と攻撃の切り替えの部分、コンパクトな体型も含めてすごくバランスがいい印象があります。それと、昨シーズンから僕も栃木でお世話になって、クラブにはどうしても子どもの時期があって、大人の時期があって、そういう人生を考えたときに、大切にしないといけないのが歴史であって、栃木SCとはなんぞや、ということをやり続けていく必要があるんです。それこそ僕もアドバイスをもらいながら、元GMの上野(佳昭)さんなどの熱い思いと、色々と苦労した思いとがあって、僕がわからない時代が多くあるなかで多くを伝えていただいて、それこそサポーターの迫力とか思いとか、選手たちが大事にされるクラブだと聞いて、そのDNAをしっかり理解したうえで、そのフットボールを表現しながらピッチ上で選手たちと汗をかいて、理屈ではない状況を作り上げていけるスタッフを考えたときに、日本中たくさんの指導者がいますし、色んな日本人監督、外人監督がいますけれど、一番かゆいところに手が届く、選手たちに対して冷静に、かつハートは心のなかにあって、それは僕も一緒に戦うなかで体感したことですけど、この人だけは絶対に守ってあげたいと思わせる側面とか、選手たちの気持ちもしっかり理解してやってくれる人柄が栃木というチームに合っているんじゃないか、ということも含めて、トップチームのチームだけが変わるんじゃなくて、クラブも含めていい人生になれる1年を考えたときに横山監督を考えました。それが一番の決め手かなと思います。栃木の伝統、歴史を大切にできる監督として横山雄次監督はベストだと決断させていただいた、という流れです」

 

――水沼社長に伺いたいのですが、昨年の会見でチーム編成では単年度赤字も辞さないとのことだったのですが、今年の選手たちの年俸総額はどれだけ昨年と変化があったのか、ということが一つと。あと外国人選手をキャンプでテストされるということですが、どういうポジションの選手なのか。あと3点目として、フィジカルコーチの新田さん、これはフィジカルコーチという立場でよろしいのか、トレーナーなのか、その確認をお願いします。

 

水沼社長

「私が色んなところでJ3のクラブ運営を含めて、赤字も辞さない、と言ったことで赤字という言葉だけが先行しているところがあるんですが、実際には予算もほぼかたまりつつありますが、結構厳しいです。どうしてもだいたいJ3レベルのチーム人件費で抑えられるならば赤字にはならないと思います。我々の思いは皆さんと同じで、1年でどうしてもJ2に復帰するということですから、予算配分もチーム編成にかなりのウェイトがかかっています。それでせっかくの機会なのでお話しますが、間違いなく単年度赤字になると思います。じゃないとこのチーム編成はできません。しかし、皆さんが心配いただくのは、2年前の赤字、債務超過、募金活動まで展開していただいて、本当に多くの県民の皆さんに支援していただいて、一昨年から黒字になりました。そして今年もそれなりの利益が出ると。今季の予算編成で予想できている赤字が出たとしても、経営基盤が揺らぐ、財務基盤が揺らぐことはありません。その自信があるので私はやはり1年でJ2に戻るためにはこの程度の赤字は覚悟して、我々の思いを集約して、J2に戻るという思いなので、いつか来た道を戻るのではないか、というご心配を頂いているのですが、それはありません。財務上ありません。ただ、3年、4年とJ2に戻れない場合は今の予算を投下できるかどうかは疑問です。そういう意味です。経営上はお任せください。お金の部分は大丈夫です。ただやっぱり、皆さんに大変なご心配をかけた2年前がありますから、その道は歩まない、そのための財務上の数字は大切にしています。しかし皆さんがご心配いただくような現状にはない、と申し上げておきたいと思います」

 

新里TD

「新田フィジカルトレーナーの件については、コーチではなく、フィジカルトレーナーの役割ですね」

 

以上

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