【お知らせ】ジュニサカ最新号の特集テーマは『守備の基本』。頭を整理したい方には非常にオススメ。
6月6日に発売されたジュニアサッカーを応援しよう!Vol41。
今号の特集は、ジュニアサッカーを題材にする雑誌としては異例といっていい「守備」。
子どものうちは思う存分攻撃を、という風潮が根強くあるので、守備をテーマにした一冊というのはむしろ新鮮。
僕と松田浩元栃木SC監督の共著『サッカー守備戦術の教科書』の売れ行きも好調なので、その影響もたぶんにあるでしょう。
『12歳までに身につけたい守備の基本』
が、特集テーマ。
スペイン、イタリア、ドイツ、南米、フットサルなどの守備について基本をおさらいしています。各国の色が出ていて読んでいて興味深い記述ばかりでした。
鈴木はもうかれこれこの雑誌に7年くらい携わっていて、今号も編集・執筆で3企画ほど携わっています。
●イタリアの子どもが12歳までに身につける守備
(ACミランスクール千葉佐倉校 ルカ・モネーゼ)
●亘崇詞コーチの南米流個人守備戦術(亘崇詞さんは元栃木SCの選手)
●ルーティーンの効果ってナンダ?
(東海大学体育学部 高妻容一教授)
ジュニア向けに改めて守備の取材をするのですが、僕自身ももう一度守備の基本について確認できるのでありがたい取材になりました。
ACミランスクールのルカ・モネーゼさんの取材では、イタリアの子どもたちが12歳までに身につける守備を取材したのですが、端的に一つ例を挙げれば、日本のジュニアサッカーの現場では(というか高校生やプロでも?)、タッチライン際でボールを保持する相手をタッチラインに追い込む、という守備が常識となっていますが、それは状況によって対応は異なるのだとルカさんは言います。
たとえば、相手のボール保持者がこちらの右サイドのタッチライン際にいるとき、相手が左利きの選手であれば、そのまままっすぐに侵入されて、こちらのディフェンスを拔ききる前にクロスを上げることも可能。ならば、タッチラインに追い込まずに、外を切って、あえて内側へ行かせる、そこで仲間とともに挟んで奪い切る、という考え方をイタリアではするのだというわけです。
というようなことをまとめています。
あとは、第二特集としてメンタルが取り上げられています。
僕は、ルーティーンのメンタル効果について、日本のメンタルトレーニングの第一人者と言える東海大学体育学部の高妻容一教授に取材しています。
ルーティーンといえば五郎丸歩選手のあのポーズですが、あれはルーティーンの流れのなかの一つの所作に過ぎないのであって、五郎丸選手がすごいのは、ルーティーンを実行するためのトレーニングを完璧に身につけたことでルーティーンが安定したということ。
高妻教授が強く言及していたのは、ああいうルーティーンポーズをその場限りで行うからプレーが安定するようになるのではなく、ルーティーンも含まれる日頃のメンタルトレーニングを積むこと、まさにトレーニングを積むことで心を鍛える、という考え方が大事なのだと話されていました。
フィジカルトレーニングがあるのだから、メンタルトレーニングがあって然るべき。
心・技・体
日本のスポーツ界は、技と体を鍛えることには一生懸命だけど、心を鍛えるがおろそかになっていないか――。
栃木SCも先日メンタルトレーナーを外部講師として招集して一度講義してもらいましたが、それも一度きりではきっかけに過ぎないのであまり意味はなく、食へのアプローチと同様、日々の積み重ねで鍛えられていくもの、という捉え方にならないとほとんど効果はないと思います。
そのためには、フィジカルトレーナーという役職があるのと同様に、スポーツメンタルトレーニング指導士というプロを招聘すること、つまりそこに予算を投じることが必要になるでしょう。
高校野球界では全国で千校以上の取り組みがあるそうですが、高校サッカー界はごくわずか、Jクラブの取り組みはほぼ皆無という状況。サッカー界は非常に遅れているようです。
詳しくは、ジュニアサッカーを応援しよう!最新号にて。