「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第22節SC相模原戦 17試合ぶりに先制を許すもドロー決着。残り8試合への課題と収穫ある勝点1。

2016明治安田生命J3リーグ第22節
2016年9月18日17時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 3,454人
天候 曇のち雨、無風
気温 21.9℃
湿度 90%
ピッチ 全面良芝、水含み

栃木SC 1-1 SC相模原
(前半0-1、後半1-0)
得点者:29分 井上平(相模原)、57分 大石治寿(栃木)

<スターティングメンバー>

◆栃木SC
GK 21 吉満 大介
DF 29 島川 俊郎
DF 4 広瀬 健太
DF 7 菅 和範
DF 5 尾本 敬
MF 8 廣瀬 浩二
MF 2 西澤 代志也
MF 30 本間 勲
MF 38 宮崎 泰右
FW 13 上形 洋介
FW 9 大石 治寿

控えメンバー
GK 1 竹重 安希彦
DF 17 山形 辰徳
DF 18 坂田 良太
MF 14 西谷 和希
MF 20 山本 大稀
MF 6 古波津 辰希
FW 11 ジャーン モーゼル

監督 横山雄次

65分 廣瀬→山本 76分 菅→山形 81分 上形→坂田

65分 廣瀬→山本
76分 菅→山形
81分 上形→坂田

最後を決め切る精度、迫力を

 

決めるべきを決めないと難しくなる、というゲームだった。

ここまでは決めるべきを決めないでも無失点で切り抜けてきたが、今節はそうはならなかった。相模原が29分に菊岡拓朗の質の高いCKから先制するが、番記者曰く「しばらくぶりのCKからのゴール」だそうである。

その久しぶりとなるゴールを、今季CKから1失点しかしていない栃木が被弾するのだからフットボールはわからない。ここでそれがくるかと。しかしそれは現実に起きた。

決めるべきを決めないと相手に流れが傾き――なんてことはフットボールにはよくあるが、それが実際にスコアに現れてしまったのが今回のゲームだった。

 

確かに29分に被弾したあとの栃木は多少意気消沈したところも見えたが、それでも中断期間中に大学生相手に失点、そして連続失点という悪しきゲームをしてしまった反省を活かして、多少後半序盤に攻め急ぎもあったものの、総じて「先制を許してもぶれずに落ち着いてゲームを進めることはできていた」(廣瀬浩二)。

だが、それは先制点を被弾してしまった場合の最悪のシチュエーションでの次善策に過ぎない。

 

今季求めるのは結果。この土壇場の終盤戦で手にしたいのは勝点3だ。

もちろん、先制点を奪われてもチームが持っていた次善策を忠実に実行し、ビハインドから2失点目を被弾せずにゲームを壊さずに粘り強く進め、そして57分の大石治寿のゴールで追いついて、勝点1という「結果」をもぎ取れたことは評価に値する。

次に繋がるのか? という意味では、間違いなく繋がる勝点1だと思う。チームとして一つになり、最悪のパターンの次善策を冷静に実行に移せたという意味で。そして昇格争いの最後に効いてくるだろう勝点1として。

 

しかし、やはりそれは次善策の中での話。最善策として先制するチャンスはあった。

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