【レビュー】栃木SC J3第28節ガイナーレ鳥取戦 全員が戦力――。攻めの采配で示した優勝への揺るぎない信念。
2016明治安田生命J3リーグ第28節
2016年11月5日13時キックオフ とりぎんバードスタジアム
入場者数 1,385人(うち栃木サポーターはゴール裏に90人、メインスタンドに40人ほど計約130人)
天候 晴天、弱風
気温 23.2℃
湿度 43%
ピッチ 全面良芝、乾燥
ガイナーレ鳥取 0-1 栃木SC
(前半0-1、後半0-0)
得点者:34分 大石治寿(栃木SC)
<スターティングメンバー>
◆栃木SC
GK 21 吉満 大介
DF 29 島川 俊郎
DF 4 広瀬 健太
DF 5 尾本 敬
DF 15 永芳 卓磨
MF 38 宮崎 泰右
MF 2 西澤 代志也
MF 30 本間 勲
MF 14 西谷 和希
FW 8 廣瀬 浩二
FW 9 大石 治寿
控えメンバー
GK 1 竹重 安希彦
DF 18 坂田 良太
MF 10 杉本 真
MF 16 斉藤 大介
MF 20 山本 大稀
MF 41 佐々木 勇人
FW 11 ジャーン モーゼル
監督 横山 雄次
指揮官の揺るぎない覚悟
3分、相手のキーマン、フェルナンジーニョにボールが入ると広瀬健太がすかさずタイトにマークに行って潰した。
それから数分後、相手CKからのカウンターシーンで、フェルナンジーニョのマークに付いていた西澤代志也が“ちょっかい”を出してフェルナンジーニョの身体の自由を奪って押し倒す。しかし笛は吹かれない。フェルナンジーニョが、ファウルだろ! と片言の日本語で第四審判に詰め寄る。
序盤からフェルナンジーニョのイラつきが目に見えた。キーマン潰し。栃木としては狙い通りだった。
左サイドバックの永芳卓磨は、試合序盤、逆サイドで起きているそんな仲間たちの勇姿をみながら、よし、と心のなかで呟いていた。
前日はなかなか眠りにつけなかった。久しぶりに感じる緊張だった。累積警告で試合に出場できない菅和範、山形辰徳ら、いつも面倒を見てくれる先輩たちには「思いっきりやってこい」と言われ、しっかりと胸に受け止めた。
「ここで自分が変なプレーをして、今まで仲間たちが積み上げてきたものを崩してしまうわけにはいかなかった」
不安はあった。が、楽しみもあった。身体は動いていた。先週のトレーニングマッチでも左サイドバックとして手応えはあった。
ふと、逆サイドの奥に目をやった。栃木ベンチ前のコーチングエリアでは、横山雄次が声を張り上げていた。
「お前と心中するつもりで俺は選んだ」
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