「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J2・J3入れ替え戦第一戦ツエーゲン金沢戦 まだ半分。そして半分の力しか出せていない。このままでは終われない。

2016明治安田生命J2J3入れ替え戦第一戦
2016年11月27日12時30分キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 5,369人
天候 曇ときどき雨、無風
気温 15.1℃
湿度 65%
ピッチ 全面良芝、水含み

栃木SC 0-1 ツエーゲン金沢
(前半0-0、後半0-1)
得点者:小柳達司(89分)

<スターティングメンバー>

◇栃木SC
GK 21 吉満 大介
DF 17 山形 辰徳
DF 18 坂田 良太
DF 5 尾本 敬
DF 7 菅 和範
MF 8 廣瀬 浩二
MF 2 西澤 代志也
MF 29 島川 俊郎
MF 38 宮崎 泰右
FW 13 上形 洋介
FW 9 大石 治寿

控えメンバー
GK 1 竹重 安希彦
MF 14 西谷 和希
MF 16 斉藤 大介
MF 30 本間 勲
MF 41 佐々木 勇人
MF 6 古波津 辰希
FW 11 ジャーン モーゼル

監督 横山 雄次

70分 上形→ジャーン 79分 廣瀬→本間 90分 宮崎→西谷

70分 上形→ジャーン
79分 廣瀬→本間
90分 宮崎→西谷

 

写真 永島一顕

写真 永島一顕

悔やまれる敗戦

 

1対0も、0対0も、0対1もある内容の試合だった。

だが、結果は0対1だった。

慎重な姿勢で戦い、最後はスコアレスドローを狙いにいったが失敗に終わった。89分に相手CKから決勝ゴールを決められた。

 

指揮官が試合前にディテールが勝負を決めると話していたが、言葉通り、最後はCKからのディテール、クロスの質、競り合い、そのこぼれ球への反応、そのわずかなディテールの差で勝負は決まった。

 

一方、栃木にはディテールで勝負を決めるだけのクオリティを見せることはできなかった。50分にはゴール前の西澤代志也のFKから混戦を抜けたボールがストライカー大石治寿に渡って決定機を迎えたが決め切れなかった。

 

わずかな差だったと思う。

2対0はないにしても、1対0や0対0は十分にありえた内容だけに悔やまれる敗戦でしかない。

 

ただ、結果自体は悲観しすぎることはない。

試合直後、ベンチメンバーのベテラン斉藤大介が「悲観する結果ではないよ」とキャプテン廣瀬浩二に伝えてチームの雰囲気を盛り立てようとしたようだ。喜怒哀楽が激しく交錯する大舞台のなか、これまで昇降格の舞台を無数に経験してきた斉藤大介は冷静に状況を見極め、自分がやるべきことを実行したのかもしれない。

 

冷静になれば、たしかに試合前に指揮官は「二戦のうちのどこかで点を取りにいかないといけない」と話していた。

 

あのまま無失点で終えてスコアレスドローの0対0で終えていても、第二戦でゴールがなければ延長、その後運も大きく左右するPK合戦に勝負は委ねられるわけで、結局のところ第二戦で最低でも1ゴールは奪わないとJ2復帰は厳しい道のりでしかなかった。

 

ならばシンプルに、第二戦はゴールを奪って勝つしかない。

逆にいえば栃木は、最低1ゴールでさえ奪えれば、ゴールを奪って勝てば、J2復帰への道が開ける状況にある。

 

(残り 3943文字/全文: 5202文字)

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