「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【コメント】栃木SC 負傷離脱した坂田良太選手へ贈る選手たちのコメント

不屈の魂の持ち主、頑張れ坂田良太。

 

14日、栃木SCはクラブのオフィシャルホームページで、今月7日の第7節北九州戦で負傷した坂田良太選手の診断結果を発表した。診断は、右膝前十字靭帯断裂、右膝後十字靭帯断裂、右膝内側側副靱帯断裂。復帰まで約12か月を要する見込みという極めて大きなケガだった。何より坂田良太選手本人や家族が一番ショックを受けているはず。一日でも早い回復を心から願っています。

ここに記すのは坂田選手がケガをしてから取材できた選手たちのコメントだが、当然ながらその他の選手たちの気持ちもここに記すものに寄り添うものだろう。限られたコメントの掲載になるが、以下に記したい。

僕個人は、坂田良太が栃木SCに加入したときのインタビューで「僕のなかに諦めるという言葉はもうないんです」と力強く語ってくれたことを鮮明に覚えている。彼は不屈の魂の持ち主。強い気持ちで、必ずピッチに戻ってきてほしい。

 

西谷和希は、先日のFC東京U-23戦で劇的決勝ゴールを決める2日前にこう話している。

「良太さんはずっと一緒に頑張ってきた人。特に良太さんとは二人でやっていたこともあったんです。僕が考えたりお互いが調べたりしながら、一緒にヨガに取り組んだり、他にもラダートレーニングに取り組んだり、一緒に自主練をしながらお互いの状況を報告し合って切磋琢磨していました。今回こういうことになって、だからこそ、僕は良太さんの分までプレーして、絶対にJ2に復帰して、最高の場所に良太さんを復帰させてあげたい。試合に勝ち続けて、いい報告ができれば、もしかしたらケガの治りも早くなるかもしれない。ポジティブな要素で、しっかりと良太さんを支えていってあげたいです」

和田達也は全体練習後の坂田良太との切磋琢磨、プライベートでも親交が深かった。

「良太君はあの試合(北九州戦)に懸ける思いは誰よりも強かったんじゃないかと思います。あの試合の前の週はチームにアクシデントが起きていたから、良太君と僕は試合出場の可能性について色々話をしていたんです。試合の時も、あの試合は(それまでスタメン出場がなかった)良太君と菅ちゃんがスタメンだったので、その分、僕はベンチで、いつも菅ちゃんがムードを作ってくれていたように、良太君と菅ちゃんの分も雰囲気を作ろうと思っていました。だけど、ああいうアクシデントが起きてしまって、良太君本人もショックだろうし、チーム的にもショックがありました。僕自身、いつもあれだけ努力している人がああいうケガをするのはネガティブだし、ショックです。でも、やるしかないです。良太君のためにもっとチーム力を上げて戦いたいです。だから良太君にもがんばってほしい」

これまでのキャリアで長期離脱を三度経験しているベテラン尾本敬は自身のケガの経験からこう話してくれた。

「僕もこれまでに3回、長期離脱をしているんですけど、今回の良太のケガはそれよりも大きなケガだし、一番つらいのは本人や家族だと思います。これから良太には厳しい時間も来ると思いますが、ただ、僕が大きなケガをしていつも思うのは、こういうときにこそ自分自身と向き合える、ということなんです。自分の弱いとこやダメなところが出てきて、それと戦うことで自分を見つめ直せる時間ができる。ケガをしてそういう時間ができたことは間違いなく自分にとってプラスになっているし、今、自分がこの年齢までサッカー選手としてプレーできているのは、大きなケガがあったからだと思っています。良太にとってはきついと思うけど、乗り越えれば人間として一歩前へ進んでいける。気持ち的に難しいなかでも、絶対に悲観せず、このケガに対して前を向いてほしいです」

菅和範は坂田良太がケガをしたあとに真っ先に自身のツイッターでコメントし、また、13日のFC東京U-23戦でも西谷和希が決勝ゴールを決めたとき、ベンチにかけてあった背番号18のユニフォームを持ち出し、西谷とともに力強く掲げてみせた。

「正直、何を言っていいかわからないんですが……でも、あいつには乗り越えてほしい試練ですし、僕たちができるサポートはすべてする、ということを約束したいです。そして、あいつが頑張っている分、僕たちはピッチ上で頑張って勝点を重ねて安心させてやりたいです。僕らがJ2に上がって、あいつをJ2のピッチに立たせたいと心の底から思っているし、これからの時間、チームが一つになるきっかけを良太にもらったと思っています。僕たちは前に進んでいかないといけないし、それが良太のためになると思います。横さんが常々『きついときにきつい顔をするな』というんです。それはサッカーがプレーできるからこそきつい顔ができるわけで、良太の今の状態を考えると、僕たちはどんなにきつい状況でも、サッカーができる喜びを噛みしめながらプレーしなきゃいけないのだと改めて思いました。もっときついことを練習からやって、それを乗り越えて、試合に勝ったときに良太とともに笑いたいなと思います」

最後に、今回の件について横山雄次監督がコメントを寄せた。

「良太は普段から絶対に練習で手を抜かないし、練習試合でも一生懸命にやっていたし、それまで出場機会がなかったけれど、あの北九州戦も安心して試合に送り出せたんです。そして、あの試合のパフォーマンスも非常によかった。今回の良太のケガについては、ゲームのなかで厳しいところに勇気をもって飛び込んでいった結果だし、相手の山岸選手もそれは同じだったと思います。残念ですが、防ぎようのないケガでした。だから良太がケガをしたあと、選手たちには、良太が見せてくれたことを絶対に忘れるなよ、と伝えました。良太には、絶対に回復するんだという強い気持ちを持って前を向いてほしいです」

がんばろう坂田良太。この苦境をともに乗り切ろう。

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