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「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【蹴辺の栃木たち】第一回 神山陽平/カメラマン 栃木SCを撮り続けて9年目のオフィシャルカメラマンは、日本代表も追い続ける敏腕カメラマン。

栃木サッカー界の周辺で活躍する人たちのストーリーを紹介する『蹴辺の栃木たち』。記念すべき連載第一回目は、栃木SCオフィシャルカメラマンの神山陽平氏をピックアップしてみた。

神山陽平(かみやま・ようへい)。栃木県小山市出身。栃木SCのオフィシャルカメラマンは2009年のJ2昇格以来ずっと。そのほか浦和レッズのオフィシャル、日本代表を追うカメラマンとしても活躍中。

栃木SCと浦和レッズと日本代表を日々精力的に。

 

栃木SCのクラブオフィシャルのカメラマンが、日本代表や浦和レッズも撮影するカメラマンだということをご存じだろうか。

彼はつい先日も、イランのテヘランで開催されたW杯最終予選の対イラク戦に乗り込み、その数日後にはJ3第13節鹿児島ユナイテッド戦の撮影のためにグリスタにいた。

 

神山陽平。小山市出身。

僕にとっては昔からのメディア仲間なので、いつもは“カミヤマン”と呼んでみたりしているのだが、ここでは一応礼を尽くして「神山氏」として話を進めてみようと思う。

 

神山氏が日本代表のメイン担当になったのは、前の会社に所属していたときで、アルベルト・ザッケローニ体制が始まったタイミングだった。日本代表のオフィシャルカメラマンは激務で知られている。

 

「もうね、全部撮るの。試合前の合宿から練習から試合まですべて。海外での試合前の練習では15分しか報道陣に公開されないときもしょっちゅう。この15分でJFA(日本サッカー協会)のサイトにアップするフォトギャラリーを撮影するのは本当に大変なんだよね」

 

日本代表のアウェーの遠征ともなると、ホームゲームと違って協会オフィシャルのカメラマンは一人だけというケースもざらにある。

 

「絶対に逃しちゃいけないシーンがある。急にハンドでPKになって勝負が決まったとか。そのシーンも押さえておかないといけないから、プレッシャーはあるよね」

 

絶対に負けられない戦いがそこにはある、のだ。

内田篤人がカレンダーを出すとなれば、それ用の笑顔の写真を押さえたり、何かを商品化するならばそれ用の写真、はたまたスポンサー向けの写真なども収めたりする。それがオフィシャルカメラマンという仕事の大枠だ。

 

一番思い出深いのは、2006年のドイツW杯。このとき神山氏はまだ25歳。社会人になりたての頃で、日本代表の試合に帯同するのも初めての経験だった。

 

「会社で取材パスをもらったんだけど、僕のパスはインターナショナルフリーランス、というパスでね。FIFA(国際サッカー連盟)の本部がスイスにあるので、そのパスを持っている取材者はスイス人扱いという説明を受けた」

 

それは2006年のドイツW杯、日本対ブラジル戦での出来事だった。

 

「ブラジル戦は人気カードだから当該対戦国以外の取材者はなかなかピッチレベルで撮影できないんだけど、その日は日本戦だから問題ないだろうと思っていた。でも、僕は取材パスの関係でスイス人扱いになってしまって、『上の記者席から撮影しろ』と言われて、ピッチレベルに降りられなかった。せっかくドイツまでに来たのに? マジかよ……と最初はいじけていた。で、上の記者席に行ってみたらテレビカメラがだいぶ前へ張り出してて、玉田が決めた先制ゴールも陰に隠れて撮れなかった。もう仕方がないと思って、上からロナウジーニョとか撮ってよろこんでいたんだよね()。上から撮ると芝生がバックになるから選手がすごく映えるんだ」

 

試合はブラジルが4ゴールを奪って日本に完勝。これで日本のグループリーグ敗退が決定した。しかし、神山氏に奇跡の女神がほほ笑んだのは試合直後のことだった。

 

「あのとき中田ヒデがセンターサークルに寝っ転がったでしょう? あれ、ピッチレベルから撮ってもなんだかわからない。絵面もキレイじゃない。でも、上からだと寝ころんでいる姿がはっきり撮れた。日本人にとって、あのドイツ大会を象徴するようなシーンでしょう? あれで中田は引退することになるわけで。ラッキーだよね。こういうこともあるんだなって」

 

神山氏が撮ったその写真は、見事にサッカー専門誌の表紙を飾ることになった。

駆け出しだからこそのビギナーズラックかもしれないが、この世界、そういうものを手繰り寄せるくらいの何かがないと、長く続けられない仕事だったりする。

 

カメラマンを続けるなかでの拘りがある。

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