「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第28節福島ユナイテッド戦 劣悪コンディションでもやるべきを徹底し、訪れたチャンスを勝負強く決め切って勝点3を上積みした試合。

2017明治安田生命J3リーグ第28節

2017年10月22日13時キックオフ とうほう・みんなのスタジアム
入場者数 1,456人(うち栃木サポーターはメインスタンド300人、ゴール裏に100人、合計400人ほど)
天候 雨、無風
気温 20.9℃
湿度 63%
ピッチ 不良、水たまり

福島ユナイテッドFC 0-2 栃木SC
(前半0-1、後半0-1)
得点者:45分 牛之濱拓(栃木)、82分 西谷和希(栃木)

<スターティングメンバー>
GK 15 ジョニー レオーニ
DF 26 夛田 凌輔
DF 5 尾本 敬
DF 22 メンデス
DF 7 菅 和範
MF 21 牛之濵 拓
MF 24 和田 達也
MF 2 西澤 代志也
MF 20 藤沼 拓夢
FW 25 ネイツ ペチュニク
FW 14 西谷 和希
控え
GK 23 川田 修平
DF 17 福岡 将太
DF 29 川田 拳登
MF 11 岡﨑 建哉
MF 16 仙石 廉
FW 8 廣瀬 浩二
FW 19 服部 康平
監督横山 雄次

27分 ネイツ→服部
86分 牛之濱→福岡
90+2分 藤沼→川田

徹底に徹底を重ね、2ゴールをゲットした試合

 

「チームとしてこのコンディションで何をやるべきか、確認をずっと繰り返していたし、その差はあったと思います。相手を上回ったと思います」

 

西谷和希がそう話したが、確かに、”徹底する力”がしっかり2対0というスコアに出た試合だと思う。

 

ピッチのあちこちに水たまりができ、ボールがまるで転がらない酷いピッチコンディション。しかし残り7試合で迎えた昇格戦線の大事な試合、このピッチ状況でも栃木は勝点3をどうにか奪わないといけなかった。

 

「前半が始まって、正直、このまま0-0で終わるんじゃないかと思ったほど、それくらいのグラウンドコンディションだと感じた」

 

横山雄次監督が振り返っているが、選手たちもピッチ上でそう感じていたに違いない。ノーゴールでは勝てない。勝点3は奪えない。そういう危機的な意識の共有が、さらにチームを一つにしただろう。徹底の度合いをさらに高めただろう。

 

「安易に相手に飛び込んで入れ替わられないように、そしてファウルはしないように」(横山雄次監督)という確認の下、選手たちは攻守のハードワークは大前提に、ボールに激しく行きながらも、クリーンだった。プレスにいった足が滑って相手を削ってしまう。そして要らぬところで相手にセットプレーを与えてしまう。そんなシーンがほとんどなかった。

 

セカンドボールを拾って、相手DFラインの背後へ送る。シンプルイズベスト。

その繰り返しから生まれる相手陣内でのセットプレーは栃木の強みだが、とりわけ左右からのロングスローがもっとも可能性を感じさせた。前半途中にはロングスローを武器とする菅和範が本来の左サイドから右サイドまで来てロングスローを投げる徹底ぶり。

 

ロングスローも雨中のなか手元が滑るために飛距離が出ない。

そのため服部康平やメンデス、ときに藤沼拓夢といったターゲットマンが必ずニアサイドに入り、ワンクッションを入れてその背後、という徹底も見て取れた。そのなかで前半終了間際の牛之濱拓の先制ゴールは生まれた。菅和範のロングスローをニアでメンデスが頭で反らし、背後で受けた牛之濱が反転し、決めた。

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