「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第32節ガイナーレ鳥取戦 首位陥落の現在地と残り2試合への希望。

2017明治安田生命J3リーグ第32節

2017年11月19日17時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 6,880人
天候 曇、弱風
気温 8.0
湿度 46%
ピッチ 不良、乾燥

栃木SC 1-1 ガイナーレ鳥取
(前半0-1、後半1-0)
得点者:45分 前田俊介(鳥取)、54分 牛之濱拓(栃木)

<スターティングメンバー>
GK 15 ジョニー レオーニ
DF 26 夛田 凌輔
DF 4 広瀬 健太
DF 22 メンデス
DF 7 菅 和範
MF 21 牛之濵 拓
MF 11 岡﨑 建哉
MF 16 仙石 廉
MF 14 西谷 和希
FW 25 ネイツ ペチュニク
FW 13 上形 洋介
控え
GK 23 川田 修平
DF 29 川田 拳登
MF 2 西澤 代志也
MF 24 和田 達也
FW 8 廣瀬 浩二
FW 20 藤沼 拓夢
FW 19 服部 康平

横山 雄次監督

74分 上形→川田拳
75分 仙石→和田
90+1分 牛之濱→服部

 

上々だったペチュニクのスタメン復帰戦、次勝てば昇格決定も

 

6連勝のあと4試合勝ちなし。去年とは事情が異なるとはいえ、戦績だけみれば明らかな失速だ。が、ここでああだこうだ理由を連ねても今は何の意味もない。あと2試合が終わってからだ。

 

最下位鳥取とのドローで栃木は首位から陥落した。

2位栃木は、次節ホーム長野戦に勝利し、勝点1差の3位沼津が北九州に敗れた時点で昇格が決まる。

栃木はホームで13時キックオフ、沼津はアウェーで14時キックオフ。

たとえ栃木が次節長野に引き分け以下でも、次節の沼津の結果に関わらず、最終節沼津戦まで昇格の可能性は残る。

 

長野に勝つことがベスト。万が一負けても可能性が残る。だったら次節を全力で勝利を掴み取ることだけを考えたい。自分たちで昇格を掴み取れるチャンスなのだから。

「何もシーズンは終わっていない。次に向けていい準備をしたい」(菅和範)

「今までやってきたことを信じること。ぶれることなく一つになってやることが大事」(岡崎建哉)

「まだ2試合残っていて、まだまだ可能性がある順位」(ネイツ・ペチュニク)

試合後の選手たちの表情や口調には悔しさしかなかったが、必死になって前向きな言葉を吐こうとしていた。

 

こういう底のない苦しさを味わえるのもあと2週間だけだ。去年の経験を活かす、とずっと合言葉のように言ってきたわけだが、去年の最大の経験というは一回死んだということじゃないだろうか。一回死んだのだから二回も三回も怖くないでしょ、さあ開き直っていこうぜ。

 

今できることは今節の課題を洗い出し、次節長野戦の対策も含めて、今週のトレーニングを100%でやり切ることだ。

 

前半感じたのは、双方長いボールが多くなっていてバタバタと落ち着かないな、ということ。

鳥取はボール保持率を高くするサッカーを貫いてやってきたわけだが、これはどういうことか。鳥取の左サイドのキーマン河合秀人がいう。

「アップの時点で芝の状態が相当に酷いと感じたので、下での繋ぎよりも、早めにクロスを入れて相手DFのミスを誘おうと思っていた」

だから展開がバタバタとしたわけだった。

 

グリスタは栃木SCがアウェー遠征に行っている間も、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝大会で3日間連続、その後に女子サッカーの皇后杯の試合を詰め込んで芝を酷使。夏過ぎから荒れ模様がひどくなって「本当にJリーグの会場なの?」といった記事にされたこともあったが、酷い芝状況にさらに追い打ちをかけていた。

 

どさくさに紛れて書いておくが、栃木県サッカー協会の皆さんはこちらを覗いているだろうか。グリスタの芝はもう20年以上取り替えていない。もう限界だ。あなたたちの仕事だ。県から予算を引っ張るなりしないと、小学生から大人までファイナルに使う栃木サッカーの聖地を、あのような恥ずかしい状況のまま放置しているのはいかがなものか。栃木のサッカーを牽引する栃木SCの選手たちも苦しんでいる。相手選手も気持ちよくプレーできていない。これでいいのか。

(残り 4681文字/全文: 6342文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ