「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC 第98回天皇杯2回戦 徳島ヴォルティス戦 控え組中心で戦った天皇杯は「間違いなく全員戦力」と言える試合だったか?

天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会2回戦

2018年6月6日19時キックオフ 鳴門大塚スポーツパーク
入場者数 1,309人(うち栃木サポーターはゴール裏に約30人)
天候 雨、弱
気温 21.2
湿度 86%
ピッチ 全面良芝、水含み

徳島ヴォルティス 1-0 栃木SC
(前半1-0、後半0-0)
得点者:5分 杉本太郎(栃木)

<スターティングメンバー>
GK 33 石川 慧
DF 19 服部 康平
DF 17 福岡 将太
DF 28 温井 駿斗
MF 29 川田 拳登
MF 21 牛之濵 拓
MF 4 仙石 廉
MF 24 和田 達也
MF 8 廣瀬 浩二
FW 16 榊 翔太
FW 13 上形 洋介
控え
GK 1 竹重 安希彦
DF 3 西河 翔吾
DF 27 久富 良輔
MF 2 西澤 代志也
MF 38 宮崎 泰右
MF 37 浜下 瑛
MF 10 杉本 真
横山雄次監督

46分 廣瀬→浜下
54分 上形→杉本
79分 榊→久富

 

内容は上々も相手のワンチャンスに泣く

 

栃木、徳島、ともに普段のリーグ戦の控え組中心のメンバーで対峙した天皇杯2回戦。

栃木は前半5分に与えたペナルティで失点し、それが決勝ゴールとなり敗れたが、それ以外は、もちろんラストパスやフィニッシュの精度など課題は多々あるにせよ、全体的にポジティブな試合だった。

5試合勝ちなしで2連敗中のリーグ戦の流れを断ち切るためには、この天皇杯を90分で勝利する結果が欲しかったところだが、むしろこの日の天皇杯が、相手のワンチャンスで勝点を掴み損ねているリーグ戦の流れを引きずったかのようだった。この日も栃木は序盤の相手のワンチャンスを決められ、後塵を拝した。

 

リーグ戦同様、結果が出ていないにもかかわらず、内容を抽出してポジティブに捉え過ぎるのも違うと思うが、ただ悪い印象はまったく受けなかった試合だ。

普段、出場機会に恵まれない選手たちが中心となった試合は、それぞれが自身のアピールに終始するような“ちぐはぐさ”はなく、チームとしてやるべきハードワークをまずやろうという気概や一体感を十分に感じさせた。 

 

システムはリーグ戦の3節山口戦以来となる4-4-2。相手の3バックに対し、前線と中盤とDFラインが一体となって蓋を被せるようにハイプレスを敢行し、相手ボールをひっかけてショートカウンターを撃ち込むシーンもあれば、逆に、徳島のパス回しの巧さの前にプレスをかいくぐられ、逆サイドにボールを展開されてカウンターを食らい、相手のキーマンである杉本竜士の高速ドリブルに手を焼くシーンもあった。

が、それも想定済みとばかりに栃木の選手たちはピンチの芽を感じるや否や、すばやく帰陣して二段構えの守備ブロックで粘り強く応戦した。

 

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