「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【無料記事】【レポート】関東リーグ1部前期終了、ウーヴァは首位、ヴェルフェは9位で折り返し。

ウーヴァの森島康仁。向こうに見えるのは東京ユナイテッドの岩政大樹。

(文・写真 永島一顕)

KSL1部前期終了、ウーヴァ首位で折り返し、ヴェルフェは勝ち点5で9位

 

52回関東サッカーリーグ(KSL)1部は8日までに前期を終了、参戦する本県の2チームは、栃木ウーヴァFC81分けの勝ち点25で首位、ヴェルフェたかはら那須は12分け6敗の勝ち点59位で、シーズン前半を折り返した。

 

プロチームとして今季新たなスタートを切った栃木ウーヴァは、開幕から実力を見せつけ、次々と白星を重ねてきた。迎えた前期第7節、VONDS市原FCV市原)との全勝対決でも、個の力を利して20の完封勝ちを収めて単独首位に立った。

堺陽二監督は「得点力あるチームを無失点で抑えたのはよかった」、岸野靖之・戦略統括責任者(CSO)は「ベテランの経験が生きた」と全勝対決を制したことをともに評価。

ただ、試合内容に目を向けた岸野CSOからは「もっとボールを持ち、相手を左右に振って動かす展開ができないといけない。ボールを失う回数も多すぎる」と、チームの課題が解消されていないことを危惧するような言葉も聞かれた。

同第8節でTOKYO UNITED FCは、その不安が顔をのぞかせた内容となった。先に点を取ってリードしながら追いつかれる展開となり、終わってみれば22のドロー。岸野CSOは「勝てるゲームを分けたのは、力がないということ。ボールを取る回数が少なすぎる」と戦いぶりを厳しく評した。

確かに試合を見ていても緩く感じられるプレーが目立ち、課題が露呈したように感じられた。

対戦相手のTOKYO UNITED FC(東京U)の福田雅監督は「展開は予想していたが、想像以上に強く、圧力を感じた」とウーヴァの実力を認めつつも、「ウーヴァは点を取った後、追いつかれる経験がないのでスキが生まれる。失点後10分は逆にチャンスでありギアを一段上げて挑んだ」とも話し、この日のウーヴァは、自分たちの弱みを見事に突かれてしまった試合でもあった。

課題が露呈された後の同第9節では、昨季はともにJFLだったブリオベッカ浦安と対戦。試合は、MF野崎陽介、MF山村佑樹、FW森島康仁のゴールで前半に3得点を奪ったウーヴァが、30で快勝。2位のV市原が東京Uに逆転負けを喫したため、ウーヴァは、2位のV市原との勝ち点差を5として首位で前期を締めくくった。

 

一方、開幕4連敗と厳しいスタートを切ったヴェルフェたかはら那須は、上位へと浮上できないままで苦しい状況が続いている。

5節で東京U11で引き分けて今季初勝ち点を得た後、第6節では横浜猛蹴を逆転で破って今季初勝利。しかし、下位からの浮上を期して臨んだ第7節の流通経済大FC戦は、先制され一時追いつくも、その後3失点を喫し、14で敗れた。

前期のホームラストゲームとなった同第8節、最下位のさいたまSCとの一戦は、何としても勝ちたい試合だった。しかし、前半18分に先制を許し、苦しい展開となってしまう。それでも、34分にFW神村秀斗が4戦連続となるゴールを奪い、11として前半を終わった。

敗れると最下位に転落してしまうヴェルフェは、後半に入ってからも白星獲得に向けて必死のプレーを見せたが、絶好機を生かせないなど最後まで勝ち越し点を奪うには至らず11のまま試合終了、下位チームを突き放すことはできなかった。

鷹觜倫弘監督は「相手のシステム、戦い方を想定して試合に入った。(先制された後)追いついたのは良かったけど…」とドローに終わったさいたまSC戦に無念の表情。「もう少し真ん中を使って、サイドへ展開すれば良かったかもしれない」と試合を振り返った。

また、「セットプレーを研究し、不用意なファウルは減らさないといけない」と勝ち点獲得のための課題も言葉にし、シーズン終盤に向けては「チャレンジする姿勢を持って戦う」と、巻き返しを期そうとの思いを表した。

同第9節では東京23FCと対戦したヴェルフェは、スコアレスで迎えた後半に2点を失ってしまい、結局、ネットを揺らせぬまま完封負け。12分け6敗の勝ち点510チーム中9位で前期を終了した。

 

15日からは後期がスタート。ウーヴァは、神奈川県横浜市の県立保土ヶ谷公園サッカー場で横浜猛蹴と対戦し50で大勝。ヴェルフェはホームの矢板運動公園陸上競技場でジョイフル本田つくばFC戦に臨み、後半のロスタイムに決勝点を奪って32で逆転勝ち、ともに白星発進となった。

 

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