「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【全選手レビュー2018】 栃木SC パウロン 練習生から見事にチャンスを活かし、後期戦でMVP級の活躍。

パウロン。攻守においてパワーと高さとスピードを発揮した。

42 DF パウロン

16試合出場(1410分)/16試合中3得点

 

個人的には後期戦のMVPだ。パウロンなくして残留が叶ったかわからない。

経験を活かした的確な読み、その上で発揮される高さ、強さ、スピード。そして得点能力。能力だけでいえば間違いなくJ1級だろう。

 

栃木は今季、とりわけ後期は541のブロックを築いてチームとして強固に守れていた。後期の21試合でクリーンシート(無失点試合)は10回を記録。ただ、堅固な守備組織というのは、形だけは機能しないもの。形があり、そこにボールを狩れる個の力がないと意味をなさない。防御一辺倒では相手は怖くない。

古くから栃木SCを見てきた人ならばわかるはずだ。442の強固なブロックを築こうとも、中盤中央にボールを狩れるパウリーニョがいなければ、ブロックは後退し、じり貧になるだけだったと。相手のサウンドバックになるだけなのだ。

 

パウロンは外国人CBらしく、相手を狩れるCBだった。

福岡のドゥドゥ、新潟のターレス、ヴェルディのドウグラス・ヴィエイラ、横浜FCのイバ。J2のトップ級外国人FWとやり合い、負けなかった。徳島のウタカはチームの指示でパウロンとの勝負を避けたほどだ。

クロスボールははじき返し、相手のショートカウンターを一人で、的確な読みで、その長い足を伸ばしてインターセプトして食い止めてしまうシーンを見せられるたびに、能力たけえ、パウロンありがてえ、と思った人は多いだろう。

 

(残り 1306文字/全文: 2016文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ