「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【全選手レビュー2018】栃木SC 大黒将志 38歳で年間40試合にスタメンほぼフル出場、チーム最多の12ゴールをマーク。そして仲間の能力を引き出し続けた今季の殊勲。

大黒将志。狭いグリッドでも何のその。一人余裕のある足さばきで違いを見せつける。

 

9 FW 大黒将志

40試合出場(3463分)/40試合中12得点

 

ゴールを奪うことだけに心血を注ぐ、孤高のストライカー。

そんなイメージだったが、この1年で根こそぎ覆された。守備もそれほどやらないだろう、そんな先入観も訂正してお詫びしなければいけない。

「オグリは色々できるんですよ。その中からチョイスしてプレーしているだけであって」

横山雄次監督がそう話したことがあるが、納得である。前線から守備のスイッチを入れるし、必要に応じてポストプレーもするし、中盤に落ちて組み立てもできるし、やれと言われればきっとボランチも器用にこなすだろう。

サッカープレイヤーとしてトータルの能力が高い元日本代表の点取り屋。それが大黒将志だった。

 

シーズン開幕前にパサーの相棒である寺田紳一が長期離脱したときは大黒とて焦っただろう。しかし、その後のリカバリーが強烈だった。ゴールを奪うことを仕事にする選手として当然なのだろうが、さすがにどのチームでもゴールを量産してきた選手とはこういうものかと唸らされた。

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