「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

身体は戦い、頭は冷静に。明確なプランニングと意思統一が結実した大きな勝利。【J2第13節ヴァンフォーレ甲府戦レビュー】(19.5.13)

2019明治安田生命J2リーグ第13節

2019年5月12日16時キックオフ 栃木県グリーンスタジアム
入場者数 5,093人
天候 晴れ、弱風
気温 17.5
湿度 46%
ピッチ 全面良芝、感想

栃木SC 1-0 ヴァンフォーレ甲府
(前半1-0、後半0-0)
得点者:43分 大黒将志(栃木)

<スターティングメンバー>

GK 50 ユ ヒョン
DF 15 森下 怜哉
DF 4 藤原 広太朗
DF 30 田代 雅也
MF 27 久富 良輔
MF 40 寺田 紳一
MF 26 枝村 匠馬
MF 14 西谷 優希
FW 9 大黒 将志
FW 10 西谷 和希
FW 37 浜下 瑛
控え
GK 23 川田 修平
DF 7 菅 和範
MF 5 ヘニキ
MF 11 平岡 翼
FW 16 榊 翔太
FW 8 廣瀬 浩二
FW 19 大島 康樹

田坂和昭監督

75分 西谷優→平岡
79分 寺田→ヘニキ
87分 大黒→大島

(撮影は永島一顕)

(撮影は永島一顕)

(撮影は永島一顕)

(撮影は永島一顕)

(撮影は永島一顕)

 

▼苦しい展開だったがプラン通り

試合終了の時間が近づくにつれて一個のボールに対するスタジアムの集中の度合いが増すのがわかった。一つのピンチをしのぎ切るたびに、おーーーーし! という気合いの声が選手たちの背中を後押ししているかのようだった。ものすごい一体感だった。ピッチの選手たちやコーチングスタッフのみならず、グリスタ中が一体となって掴みとった勝点3。対甲府戦初勝利、今季ホーム初勝利。迷い、もがき、苦しみ、その先で掴んだ大きな勝点3だ。

 

試合は栃木が3バックを敷いたことでピッチ上は3421同士のマッチアップに。序盤から相手の前線のキーマンであるウタカやドゥドゥに入るボールに対して、栃木の3CBが後ろからタイトにアタックして自由を与えなかった。

「相手のシステムにマッチアップしていたので、そこの1対1で負けない気持ちを出すことはできたと思うし、それと全体に距離感よく守備ができたのは良かったと思います」(森下怜哉)

 

栃木は前線で起点が作れずに攻めに転じる回数こそ少なかったが、守備の時間にはマッチアップする目の前の相手にそれぞれがプレッシャーをかける意識が非常に強く、相手のボールに対して圧力をかけられていた。

今週のトレーニングで攻守の基本的なコンセプトを確認した作業が功を奏しただろうか。前線で起点を作れずとも後ろに引き過ぎず、できるだけ前で奪おうとする意識が見えた。復帰した枝村匠馬と寺田紳一のダブルボランチも、ベテランの妙と言えるポジショニングを繰り返し、チームが遂行しようとする攻守のバランスを生んでいたように映った。

 

決定的なピンチを招いたのは、奪ったボールを攻めに転じたときに中途半端に奪い返されたときか、攻め込んだあとに発動する前からの守備を掻い潜られたときだ。

(残り 3754文字/全文: 5268文字)

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