「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

田坂和昭監督「色々と難しいことは覚悟して来た、ということだけは間違いなく言えます」【ロングインタビュー】(19.6.25)

写真は栃木SC提供

今季の栃木SCは開幕序盤から低迷し、12節徳島戦(●2-3)に敗れると最下位まで転落した。しかし、13節甲府戦(〇1-0)に勝利し、その後は連続引き分けという粘りの戦いを見せながら浮上のきっかけを掴むかに思われた。が、ここに来てまさかの2連敗。順位は20位と苦しい戦いが続いている。

6月20日発売のSPRIDE最新号(下野新聞社発行)と本サイトの共同インタビューを実施したのは15節岡山戦(△1-1)の直後のこと。インタビューでは開幕から15節までの戦いぶりと、その過程で選手たちが変わってきた様子について語られている。このインタビューから4試合を消化した現在地を知るための少なからぬ物差しになるのではないだろうか。

 

▼色々と難しいことは覚悟してきた

――今でこそ(15節終了時点でインタビュー)チームとしてまとまってきましたが、開幕当初は難しさを抱えながらの指揮だったと思います。

「チームを率いるときの1年目は、今までの経験上、正直どっちに転ぶかわからないところがあります。僕が去年12月の就任記者会見で『集まった選手を見てから判断します』と話したのは、これをやれば絶対に成功するぞとか、これは難しいぞとか、というのがわからないからです。選手のクオリティは想定できても、パーソナリティ、戦術理解力といった部分は接してみたり、いざ試合をこなしてみたりしないとわからない部分もある。今振り返れば、開幕当初はずっと難しいなと感じながらでした」

――パーソナリティや戦術理解力は公式戦を通じないとわからない?

「会話をしてみて、これは(深い部分まで)わかっていないな、と初めてわかるときがあります。それは選手たちだけの問題ではなく、こちら側のアプローチの問題でもあります。この選手は聞く耳を持っているとか、この選手は『今まで自分はこうやってきたんだ』となかなか聞かない、といったパーソナリティも含めてそこでわかるときがある。監督が代わって新しいことにチャレンジすることを楽しむ選手もいれば、変わるのが苦手だという選手もいる。ただ、色々と難しいことは覚悟して来た、ということだけは間違いなく言えます」

――吉澤英生ヘッドコーチは昨季も在籍していたコーチです。既存の選手たちの情報は入りますが、それでも難しさがあるということですか?

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